難所は頭脳だというアルトマンの見立ては正しいかもしれない
トヨタ・リサーチ・インスティテュートのCEOで、米国防高等研究計画局(DARPA)でロボティクス・チャレンジをかつて率いたギル・プラットは、解けているのは頭脳の半分にすぎないと語っている。解けたのは、速く反射的にパターンを照合する部分だ。推論と世界モデル(world model。AIが物理世界の仕組みを内部に持ち、次に何が起きるかを予測できるようにしたもの)という難題を解けなければ、この分野は幻滅期(trough of disillusionment。新技術への期待がしぼみ、評価が底を打つ時期)の谷に深く落ち込みかねない。それがプラットの見立てである。
少なくとも一部の投資家はこの見方に同意している。Skild AIは1月に14億ドル(約2184億円)を調達し、評価額は140億ドル(約2兆1840億円)を超えた。ソフトバンクグループが主導し、エヌビディア、ベゾス・エクスペディションズ、LGが加わっている。同社が掲げるのは「どんな体でも動かせる(omni-bodied)」頭脳を作るという約束であり、共同創業者のディーパク・パタクによれば、それは「学習に一度も使っていないロボットでも制御できる」ものだという。
Physical Intelligence(フィジカル・インテリジェンス)もπ0.7で同じような戦略を進めている。グーグル・ディープマインドは7月30日、Apptronik、ボストン・ダイナミクス、Franka(フランカ)のハードウェア上で動くGemini Robotics 2を公開した。
そして5月31日、アルトマンがOpenAI Roboticsの採用開始を告知したのと同じ日に、エヌビディアはUnitree(ユニツリー)の機体をベースにしたオープンなヒューマノイドのリファレンスデザインを公開した。
エヌビディアなどは知能に集中、ヒューマノイドの機体は他社が担う
ただし、エヌビディアもディープマインドもSkildも、ヒューマノイドはもちろん、どんな種類のロボットも製造していない。ロボット本体は他社が引き受けるものであり、自分たちは知能に集中する。それが3社の立ち位置である。


