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2026.09.05 07:30

マーベル株下落の理由は成長鈍化ではない、利益率を蝕む構造的な罠

sauloangelo - stock.adobe.com

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マーベル・テクノロジーの株を持っているなら、その値動きの荒さは身をもって知っているはずだ。同社の成長は力強い。来年度の売上見通しを、わずか1四半期の間に15億ドル(約2340億円)も引き上げた。それでも株価は高値からかなり下げたままで、その好決算を発表したあとにはむしろ下落している。

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これは矛盾ではない。市場の関心が、もっと込み入った新しい問いに移ったということだ。マーベルにとっての本質的なリスクは、AIに支えられた成長が止まることではない。そうではなく、成長の中身が変わることで同社の収益構造そのものが変質し、悪い方向へ向かいかねないという点にある。

利益率の低下はすでに始まっている。しかもそれは意図的だ

投資家は長年、マーベルを利益率の高い製品を持つ会社として高く買ってきた。ところが、これからの成長を牽引するのは、ハイパースケーラー(大規模なデータセンターを運営する巨大クラウド事業者)向けのカスタムチップ(顧客専用に設計する半導体)の契約であり、これは性格の異なるビジネスである。

直近の決算説明会で、経営陣は次の四半期の非GAAP粗利益率(会計基準の枠外で、一時的な費用などを除いて算出する売上総利益率)を57.5〜58.5%と見込んだ。発表したばかりの四半期の58.9%を下回る水準だ。経営陣はその理由をはっきり説明している。CFOは、この圧迫を「カスタム事業の加速が見込まれること」による「前四半期比での逆風」だと述べた。

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これは一時的な話ではない。経営陣は、2027年1月までの1年間まで粗利益率が「同じような水準」にとどまると見ている。仕組みは単純である。利益率の低いカスタムシリコンが売上に占める比率が高まるほど、会社全体の利益率は下がっていく。

完璧な実行を前提にした株価

こうした利益率への圧迫が及んでいるのは、つい最近まで、事業運営の巧みさを織り込んで評価されてきた株である。決算の内容もガイダンスの引き上げも良好だった。それでも、粗利益率の見通しが下がったというだけで売りに回った投資家がいた。割高な株価は、売上と利益をともに急速に伸ばせるという会社への信頼を映したものだ。マーベル株の株価は現在、過去12カ月の売上高のおよそ20倍で取引されている。その成長の質が疑われれば、倍率そのものが危うくなる。株主にとってのリスクは、マーベルの事業が弱まることではない。売上1ドルあたりに市場が払う金額が下がり、事業は伸びているのに株価の評価だけが切り下がる(ディレーティング)恐れがある、ということである。

結局のところ、マーベルはAIインフラの構築において、はるかに大きく、より欠かせない担い手へと着実に姿を変えつつある。問題は、それと同時に投資家が思っていたよりも構造的に利益率の低い会社にもなりつつあることだ。そして株価は、この新しい現実を織り込んだ底値を、まだ見つけられていない。

forbes.com 原文

翻訳=酒匂寛

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