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深夜テレビに押し寄せるクリエイターエコノミーの波

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筆者がベン・グレイブに話を聞いたとき、彼はその週に配信予定の『Good Night With Ben Gleib』のポストプロダクション(編集・仕上げ作業)の真っ最中だった。彼の背後ではエディターが作業をしており、他のスタッフも別の部屋に散らばっていた。グレイブはインタビューが終わるやいなや、すぐに編集作業に戻る準備をしていた。

これが彼の新しい生活だ。グレイブは長年、コメディアンやテレビ番組の司会者として活動してきた。そして今、ロサンゼルスの自宅で撮影され、毎週木曜日にYouTubeで公開される深夜トーク番組のヘッドライター、ブッカー、エグゼクティブ・プロデューサー、そしてCEOを兼任している。

この番組には、デスク、ハウスバンド、オープニングのモノローグ、セレブのゲスト、そして観客といった、深夜トーク番組でおなじみの要素がすべて揃っている。グレイブはネクタイを締め、ネオンサインまで飾られている。

だが、カメラはスタジオを飛び出して家の中へと彼を追いかけ、そこからゲストとの会話はより長く、かなり自由なものへと変化していく。

筆者は15年近くYouTubeクリエイターたちと仕事をしてきたが、この番組の背景にある考え方に目を奪われた。グレイブは深夜トーク番組の伝統的な構成を取り入れ、それをクリエイターエコノミーを中心に、制作体制、視聴者との関係、そしてビジネスモデルとして再構築したのだ。

視聴者は料金を支払うことでバーチャル観客として参加し、ビデオウォールに登場して質問する機会を得ることもできる。インタビューは30分に及ぶこともある。Patreonのメンバーは、アフターショーをフルバージョンで視聴可能だ。1回の収録から、本編のフル番組、個別のインタビュー、ショート動画、メンバー限定コンテンツなどを生み出すことができる。

番組はまだ軌道に乗りつつある段階だ。だからこそ、古いテレビのフォーマットが、会社を所有し、視聴者に直接語りかけ、CM入りの時間を気にする必要のない人物の手に渡ったときに何が起こるかを示す、格好の実証実験となっている。

テレビ視聴のシェアを争うYouTube

「きちんとした予算を組んで制作を行う場合、YouTubeは間違いなく新しいテレビだ」とグレイブは語る。

その強気な発言には裏づけがある。YouTubeによると、米国における総再生時間ベースで、YouTubeコンテンツを視聴する主なデバイスとしてテレビがモバイルを追い抜いたという。テレビ画面では、毎日10億時間以上のYouTube動画が視聴されている。

長尺のクリエイター番組もリビングルームに進出している。YouTubeの発表によると、2025年10月にリビングルームのデバイスで視聴されたポッドキャストの時間は7億時間を超え、前年同月の4億時間から増加した。

そのためグレイブは、大画面にふさわしいクオリティのコンテンツを制作しつつ、YouTubeならではの自由さを維持できている。インタビューの長さは8分にも40分にもなる。スタジオでのコーナーの隣に、演出のない自宅の別室での会話を並べることもできる。フルエピソードはある視聴者層に届け、数十本もの切り抜き動画は別の視聴者層に届けるといったアプローチも可能だ。

台本の作成プロセスさえも変化している。グレイブによると、収録当日の朝、ショーランナーのステュアート・ベイリーが新しい視聴者参加型コーナーを提案したという。ベイリー、グレイブ、そしてライターのキャロライン・チョイは、日中の合間を縫ってそのアイデアを具体化し、カンペに印刷して、その日の夜の収録で本番に臨んだ。

「わずか数時間で形になった。これは非常にユニークなことだと思う」とグレイブは語る。従来のテレビ制作では数カ月かかることもある企画開発が、彼らの場合は半日で済んだ。

グレイブのチームも、クリック率、平均視聴時間、動画の視聴維持率などをモニタリングしている。彼は、冒頭の数秒が切り抜き動画として機能するよう、質問の本質により早く切り込むことを意識している。エディターはインタビュー中にリアルタイムでメモを取り、拡散されそうな瞬間をマークする。

しかし、彼は数字に支配されることには警戒している。「自分が納得できない分析データのために、妥協することは決してない」と彼は言う。

こうした葛藤は、実績のあるクリエイターなら誰もが身に覚えがあるものだろう。視聴者の声に耳を傾ける必要はあるが、視聴維持率のグラフに番組編成の主導権を握らせてはならないのだ。


FORBES | 執筆:Ian Shepherd
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視聴者も番組の一部に

従来の深夜トーク番組は視聴者に語りかけるものだった。しかし、『Good Night』は彼らを番組そのものに組み込んでいる。

バーチャル観客はチケットを購入して、グレイブの背後にあるビデオウォールに登場し、ゲストと直接話す機会を得ることもある。Patreonのメンバーには、アフターショーである「Nightcap」のフルバージョンが提供される。

このアフターショーは意図的に、より自由な雰囲気で進められる。カメラはセットを離れ、グレイブとゲストを追いかけて自宅の別の場所に移動し、番組の本編が終了した後も会話を続ける。メンバーは完全版を視聴できる一方、一般の視聴者には短く編集されたバージョンが配信される。「私たちは独自のビジネスモデルを構築できる」と、グレイブは筆者のポッドキャストで語った。

そのビジネスモデルには、YouTube広告、スポンサー契約、プロダクトインテグレーション、メンバーシップ、バーチャルチケット、グッズ販売、そしてツアーなどが含まれ得る。グレイブはまた、さらなる新番組の立ち上げや、将来的にはコンシューマー製品の展開という野望も抱いている。

Riversideのコミュニティ責任者であるケンダル・ブライトマンも、彼女が共に仕事をするクリエイターたちの間に同じパターンを見出している。「自身のYouTubeチャンネルやポッドキャストの枠を超えて、視聴者のための場所をどのように構築できるかに焦点を当てるべき人が、もっと増える必要がある」と彼女は語る。

『Good Night』のバーチャル観客やPatreonメンバーシップは、そうした場を構築するための初期の試みだ。これらは視聴者と番組との関係をより緊密にし、広告やYouTubeのレコメンドだけに完全に依存しない収入を企業にもたらす。

グレイブが提案する収益源のいくつかは、まだ計画段階にとどまっている。また、毎週配信のエンターテインメント番組を制作することは、2本のマイクロホンとレンタルされたソファだけでポッドキャストを収録するよりも、はるかにコストがかかる。

グレイブによると、チームは33人で構成されており、その多くがパートタイムで働いているという。彼は今でも、ゲストのブッキングの一部を自分で行っている。夜遅くまで編集のチェックもこなす。彼は、VidConのステージ上ではあまり注目されることのない、クリエイターエコノミーの一面を学んでいる。それは「会社の経営」だ。

「これは何よりもまず番組だ」と彼は言う。「そしてそれに次いで、会社でもある」

この計画には、3つ目のステップがある。

「計画では、『Good Night Network』を立ち上げ、私たちの番組からブレイクした人たちや、私が可能性を信じる他の人たちに番組を任せる。そして、何十年先も人々を楽しませる番組ネットワーク全体を構築することだ」とグレイブは語る。

クリエイターエコノミー全体で、このような発展を遂げる例はいくつも見られてきた。クリエイターが1つの信頼できるフォーマットを構築し、その周囲にチームを編成し、同じ制作・配信の仕組みを使って他のコンテンツを作り始めるというパターンだ。

しかし、最初の番組を軌道に乗せることこそが、依然として最も難しい部分である。


FORBES | 執筆:Ian Shepherd
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所有権が仕事の本質を変える

グレイブはかつて、ゲーム・ショー・ネットワークのシリーズ番組『Idiotest』で210回にわたり司会を務めた。しかし、その後番組がNetflixやPluto TVで配信されるようになっても、自身には一切追加の金銭的恩恵はなかったと彼は語る。

『Good Night』において、グレイブは自身と投資家が所有する資産を築こうとしている。彼は「これは私と投資家が所有し、そこから利益を得られる、非常に巨大なものになる可能性を秘めている」と語った。

彼は同時に、もう一つのパターンの結末も知っている。「そして、信じられないほどの膨大な仕事をしたにもかかわらず、1年で消え去ってしまう可能性もある」と彼は言う。

クリエイター自身による所有権は、純粋な自由として語られることが多い。しかし実際には、リスクを背負い、給与を支払い、朝の6時から編集作業を行うことを受け入れて初めて、その見返りを手にする権利が得られるのだ。

「もう二度と、次の仕事を探したくないんだ」とグレイブは言う。

『Hot Ones』は、クリエイター主導のインタビュー番組のフォーマットが、各エピソードを超えた寿命を持つ資産へと成長したときに何が起こるかを示している。このシリーズは、ホットソースや一般向け商品、ライセンスビジネス、さらには海外版へと拡大していった。

司会のショーン・エヴァンスは、番組の息の長さについて筆者にこう説明した。「クラシックな土台があって、その上の家は新築のようなものだ」

これは『Good Night』を理解する上でも非常に役立つ見方だ。デスク、ネクタイ、バンド、そして有名人のインタビューは、ここがどのような場所であるかを示している。そして、新しい増築部分が、視聴者の見方、参加方法、そして支払い方法を変えるのだ。


FORBES | 執筆:Ian Shepherd
セレブたちが深夜テレビ番組よりもYouTube番組を選ぶ理由

深夜番組に求められる、より低コストなインフラ

テレビ局が制作する深夜番組にかかる財務的な圧力は、何年も前から高まっていた。Guidelineのデータによると、テレビ放送の深夜トーク番組全体の広告収入は、2018年の推定4億3900万ドル(約685億円)から、2024年には2億2000万ドル(約343億円)へと減少した。

ニールセンの調査によると、2026年5月、YouTubeは米国のテレビ視聴シェアで過去最高の13.8%を記録し、3カ月連続で全メディア配信企業の中で最大のシェアを維持した。

問題は明らかだ。視聴者がYouTubeに費やす時間は増えている一方で、地上波テレビ局のコストベースは、現在とはまったく異なる広告市場を前提に構築されているのだ。

グレイブの導き出した答えは、自宅スタジオ、少人数のチーム、そして複数の異なる収入源だ。その制作体制は、カメラ付きのポッドキャストより熱量が高く、テレビ局の番組よりも諸経費がはるかに少ない。

それでも、収益の計算が成り立たなければならない。有料のメンバーシップやバーチャルチケットを購入してもらうには、その週のゲスト有名人を目当てにクリックするだけの人ではなく、番組そのものを気に入ってくれる視聴者が必要だ。スポンサーは上質なエンターテインメントを求めている。そして、YouTubeは、たとえ細かな指示を一切送ってこないとしても、依然として謎に包まれたボスなのだ。

「すべての部門において、最終的な責任は私にある」とグレイブは言う。

ファーストシーズンは全42エピソードを予定している。リピーターとなる視聴者は極めて重要だ。なぜなら、セレブへのインタビューは、放っておけば単なる単発動画の寄せ集めになりかねないからだ。デスクの向こう側に誰が座っていようとも、ホストを信頼しているからこそエピソードを視聴してもらえるようになれば、ビジネスとしての強固さは一段と増す。

「人々が戻ってくるのは、あなたの質問や、物事に対する考え方が好きだからだ」と、ケンダル・ブライトマンは語る。

そうした数字を見れば、グレイブが単に人々が楽しむ番組を作っているのか、それとも人々が生活のスケジュールの一部に組み込むような番組を作っているのかが明らかになるだろう。

ショーン・エヴァンスは、デヴィッド・レターマン、コナン・オブライエン、ハワード・スターンに憧れて育った。グレイブと同じように、彼もまた、現代における頂上がどこにあるのかを考えてきた。

エヴァンスは、「何らかの形で、人々が憧れるトーク番組の伝統を継続させていく責任を感じている」と語る。

グレイブは別の方向から同様の答えにたどり着いた。デスクはそのまま。バンドもそのまま。ネクタイも締める。そして、それらの背後にある会社を自分で所有するのだ。

本記事は、筆者のポッドキャスト『The Business of Creators』でのベン・グレイブへのインタビューに基づいている。

forbes.com 原文

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