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働き方

2026.09.04 08:21

個人の成長では届かない領域へ:チームを変えるマインドセットとは

Adobe Stock

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「成長マインドセット(グロース・マインドセット)」は、一世代にわたるリーダーシップ開発の方向性を決定づけ、その影響力を確固たるものにしてきた。リーダーに対して、失敗から学び、常に指導を仰ぐ姿勢を保ち、課題を「情報」として捉えることを教えてくれた。しかし、この概念には、ほとんどの組織が言語化してこなかった「限界」も存在する。成長マインドセットは個人の能力を伸ばすものの、チームのパフォーマンスはそれとは異なるメカニズムで動くという点だ。

近年の研究データも、同じ方向性を示している。教育分野における成長マインドセット介入に関する24件のランダム化比較試験(RCT)を検証した2025年の系統的レビューでは、パフォーマンスの成果に対する効果はほとんど、あるいはまったく認められなかった。この結果は、成長マインドセットの言葉を完全に浸透させている組織の内部で筆者が目にする光景と一致している。すなわち、個人の学習能力は研ぎ澄まされるものの、チームとしてのアウトプットにはほとんど変化が見られないという現象だ。

成長マインドセットは、それが想定していたレベルにおいては、今なお有効である。それは「自分は何を学べるか?」という、個人レベルの問いに答えるために構築された概念だからだ。しかし、その問いに適切に向き合える人々が1つの部屋に集まったとしても、チームのパフォーマンスが上がらないことはある。集団としての成果は、個人の成長とは異なるメカニズムで成り立っているからだ。

チームのパフォーマンスを実際に左右するもの

2010年、学術誌『Science』に発表された研究において、研究者らは集団における測定可能な「集団的知性」の要因(ダウンロードが必要)を特定した。そして、その要因は、その場にいる個人の平均知能や、最も優秀な個人の知能とは、ほとんど相関関係がないことを突き止めた。グループのパフォーマンスを予測する要因となったのは、発言の機会がどれほど均等に分配されているか、そしてメンバーがいかに互いの反応に同調しているかであった。個人の能力は、それが最高レベルであっても、相互作用の質に比べれば寄与度ははるかに低かったのである。

この知見こそが限界を示している。成長マインドセットは、より鋭く、よりレジリエントな個人という「インプット」を最適化する。しかし、そうした個人を、個々の総和を超えるパフォーマンスを発揮する「チーム」へと変えるメカニズムは、相互作用そのもののなかに存在し、そこで構築されなければならない。

問いが「私たちは何を創造できるか?」に変わるとき、何が起こるか

マインドセット研究は、「成長」の先にある領域を描き始めている。ブキャナンとカーンによる査読済み研究では、「固定(硬直)」と「成長」を超えた段階として、「ベネフィット・マインドセット」が提唱されている。これは、個人の成果に加えて、集団レベルでの貢献とウェルビーイングを目指す姿勢である。筆者がエグゼクティブチームを支援する際、このシフトを実践的なアプローチとして「ジェネラティブ(生成的)マインドセット」と位置づけている。このとき、問いは「自分は何を学べるか?」から、「自分たちだけでは決して到達できなかった、どのようなものを共に創造できるか?」へと変化する。これに伴い、開発の単位も「個人」から「その場にいる集団」へと移行する。

2010年に集団的知性に関する発見を発表した研究者、ウーリーは、AIの導入に関する2026年の『Journal of Organization Design』の論文で、再びこのテーマに言及した。彼女の指摘する区別は、テクノロジーの枠を大きく超えて有用である。個人の生産性を最適化するAIツールはコラボレーションを分断しがちである一方、協調の仕組みが意図的に設計されているツールであれば、集団的知性を高めることができる。共同創造(コ・クリエーション)とは、意図的に構築されるチーム能力なのだ。優秀な個人同士を単に近づけるだけでは不十分であり、設計が必要となる。

経営幹部チームにおいて、このギャップは常に目にする。その場にいる全員が指導を受け入れる姿勢を持ち、知的好奇心に溢れ、個人として非常に優秀だ。しかし、会議のアウトプットは、優秀な個人が1人で生み出せるレベルにとどまる。それは、「私たち」として思考する筋肉、つまり「誰もその会議室に持ち込んでいなかった新しいアイデアを引き出す力」が鍛えられていないからだ。

チームが依然として「成長モード」にとどまっている兆候

自身のリーダーシップチームにおいて、意識しておくべきいくつかの警告サインを紹介する。

• 会議でのアイデアが、共同で発展させられるのではなく、特定の人に帰属するものとみなされる(例:「それはマリアの計画だ」など)。

• 他にどのような可能性があるかを試すことなしに、実行可能な最初のアイデアにチームがすぐに飛びついてしまう。

• フィードバックがリーダーからチームへの一方向にのみ流れ、メンバー間で循環していない。

• メンバーは個人として何かを学んで会議を終えるものの、チーム全体の思考は開始時点から変化していない。

これらのサインはすべて、同じ原因に行き着く。すなわち、個人としての学習能力の構築は終えたものの、集団的な創造プロセスの構築にはまだ着手していないチームの姿だ。

集団的創造の「筋肉」を鍛える方法

チームのデフォルト設定を「個人の学習」から「集団的創造」へとシフトさせるために、以下の3つの実践が有効であることを筆者は見出している。

1. 最初の優れたアイデアに決定する前に、「提示されているもの以外に、他にどのようなものが構築できるか?」と問いかける。 このシンプルな質問は、時期尚早な合意形成を遮り、チームが最初に思いついた無難な解決策の先へと進む手助けとなる。

2. 誰のアイデアが採用されたかだけでなく、「誰のアイデアを土台にして発展させたか」を意識する。 もし特定の2人だけが常にアイデアを出し、他のメンバーがそれを評価するだけなら、どれほど素直で学びを得やすいメンバーが集まっていても、そのチームはまだ成長モードにとどまっている。

3. 共同創造を、偶然生まれる副産物ではなく、正式なアジェンダ項目として設定する。 筆者の経験上、コラボレーションを「自動的に発生するもの」と考えているチームが、研究の示すような「意図的な設計」を行うことは稀である。一方で、スケジュールに組み込んでいるチームはそれを実行できている。

結論

成長マインドセットは前提条件にすぎなかった。それを前提として捉え、その上に集団としての能力を構築することで、組織は単なる研修だけでは決して手に入らない資産を手にすることができる。それは、その場にいるどの個人も単独では考え得なかった方法で、共に思考するチームである。

forbes.com 原文

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