さらに、ガラパゴス諸島北部の孤島で1982~83年の大量死を比較的無傷で生き延びた現生サンゴの群落を発見し、研究における現代の比較基準を得ることができた。2010年、2015年、2016年に計3回行った現地調査でサンプルが採取され、最終的に数千個の個別データポイントが作成された。
36%強くなったエルニーニョ、さらに強大化も
西暦1000~1850年の「産業革命以前」、20世紀、1984年以降の衛星観測が可能な現代という3つの時代を比較した結果、現代の東部太平洋赤道域のエルニーニョの変動は産業革命以前の標準値より36.5%大きく、20世紀と比較しても16%強まっていることを研究チームは突き止めた。
変動の激化は、ほぼすべてが今を生きる人々の記憶にある期間に起こっている。また、エルニーニョ現象そのものも「強い年」と「弱い年」がバランスよく混在する状態から、極端な温暖化傾向へと着実に向かっている。
ガラパゴス諸島ほど顕著ではないものの、中部太平洋のライン諸島のサンゴにも同様の兆候が見られ、エルニーニョの変動性は産業革命前より約34%大きくなっている。これは、温暖化によってエルニーニョはまず東部太平洋で最も明確に強まり、続いて中部太平洋で同じことが起こるという気候モデルの予測と合致する。このため科学者たちは、両地域における変化が同じ根本的な原因によって引き起こされているとの確信を強めている。
コール教授らの研究自体には、この変化の要因を人間活動に特定する正式な統計分析は含まれていない。しかし、自然の力だけでは説明できないほど大きな変化が、人間活動に起因する温暖化と整合する場所とタイミングで生じていることが示されている。この結論は研究チームが論文で引用した別の要因分析研究とも一致しており、その研究では化石燃料からの排出が原因である可能性が高いと示唆されている。


