Astraの性能を詳しく検証、主要ベンチマークで高得点
GPT-6 Astraの公式発表ページが公開されたことで、OpenAIが打ち出した大胆な主張の詳細も確認できるようになった。同社はAstraを「世界で最も知能が高く、最もアラインメントが取れたモデル」と表現する。コンピューター操作、ソフトウェア開発、科学、サイバーセキュリティ、専門業務で大幅に進歩したモデルだとしている。数学評価FrontierMath Tier 4 v2では97.6%、ARC-AGI-3ではほぼ満点となる99.9%、サイバー能力評価ExploitBenchでは100%を記録した。
基板設計を2分54秒で完了、エンジニア級の作業へ
OpenAIが公開した実演や説明の中には、通常のソフトウェア開発や文書作成というより、エンジニアやアナリストへ丸ごと任せる仕事に近いものもある。ある実演では、Astraが電子回路図を受け取り、電子回路設計ソフトKiCad上で製造可能なプリント基板を設計した。部品を配置し、銅配線を引くところまで進め、実行時間は2分54秒だった。
3D制作から税務書類まで、専門ソフトを横断して処理
別の例では、3D制作ソフトBlenderで家屋をモデリングし、人が内部を歩き回れるUnreal Engine 5のシーンへ変換した。科学ソフトウェア上で遺伝子シーケンシングのデータを調べ、グラフを作ることもできる。ウェブ画面のフロントエンド品質確認、米国の個人所得税申告書「Form 1040」への入力、Power BIでの作業、法律文書の書式整形までこなす。
API単価はSolの2.5倍、高い推論能力で総コスト削減を狙う
APIの料金表だけを見れば、Astraはかなり高い。入力100万トークン当たり10ドル、出力100万トークン当たり50ドルである。GPT-5.6 Solは現在、OpenAIのプロモーション価格で入力100万トークン当たり4ドル、出力100万トークン当たり20ドルだ。Astraは入力、出力とも1トークン当たり2.5倍高い。
低い推論強度でもSolを上回り、出力トークンも削減
OpenAIが示した各種の比較では、Solを高い、または最高水準に近い推論強度で動かしても、Astraが上回った。Astra側を最も低い推論強度、かつ1トークン当たりのコストが最も低い設定にしても同じだった。OpenAIによれば、Astraは「はるかに少ない」出力トークンを使いながら、コード実行の成功率を大幅に高めている。
Astraは、知能を1トークンずつ買うと考えれば高価なモデルである。それでもOpenAIは、推論能力が高まれば完成物を得るまでに必要なトークン数、時間、失敗する試行回数を減らせるとみている。企業が最終的な成果を得るまでに必要な総量を減らせれば、高い単価を相殺できるという賭けである。
一部組織から提供開始、ChatGPTやAPI、AWSへ順次拡大
OpenAIはAstraをまず一部の組織へ提供し、その後ChatGPT Plus、Pro、Business、Enterprise、OpenAI API、アマゾン ウェブ サービス(AWS)へ広げる計画だ。API価格は入力100万トークン当たり10ドル、出力100万トークン当たり50ドルからとなる。
ベンチマーク外でもPCを操作、複雑な仕事を自律的に継続
発表でさらに重要なのは、Astraがベンチマーク以外で何をできるかだ。OpenAIによれば、Astraはコンピューターを操作し、ブラウザ内を移動できる。文書、スプレッドシート、プレゼンテーションを作成し、ソフトウェアも書ける。複雑な仕事を進める途中で要件が変わっても、作業を続けられる。
インターネット接続を必要としないOSWorld 2.0の一部評価では、Astraが72.6%を記録し、1タスク当たり約40分かかったとVentureBeatは報じている。GPT-5.6 Solは65.7%で、所要時間は約75分だった。
OpenAI研究者ミア・グレーゼは記者団に、利用者が複数アプリにまたがる、より複雑な仕事をAIへ任せるようになるとの見通しを示した。人間が次の手順を1つずつ指示するのではなく、より上位から仕事全体を指揮する使い方が増えるとOpenAIは考えている。


