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2026.09.07 08:30

トランプ発表と原油市場への影響、数時間の情報差が生む利益機会

Photo by Kevin Dietsch/Getty Images

Photo by Kevin Dietsch/Getty Images

ドナルド・トランプ大統領は米国時間8月28日夕方、原油市場を動かしかねない発表を行った。米国は、自身が「世界史上最大の石油取引」と呼ぶ合意に達し、ベネズエラの確認原油埋蔵量650億バレル超に対する過半の支配権を得たと述べた。この合意で米国の石油供給が大幅に増え、ガソリン価格も大きく下がると主張した。

ここで明確にしておきたい。トランプ本人や家族、政権当局者、他の誰かが発表内容を事前に知った上で取引したことを示す証拠を、私は見ていない。今回の状況が示しているのは不正行為の存在ではなく、大統領が何を発表するか事前に知るだけで、極めて大きな金銭的優位を得られる可能性が生まれるという点だ。

原油は事前情報による優位が価格へ結びつきやすい市場であり、どのような仕組みで利益機会が生まれるのか理解しておく価値がある。

発表時刻が生む、原油市場での情報格差

トランプが発表した8月28日金曜の夕方には、代表的な原油指標であるWTI原油先物がCMEグループの電子取引基盤CME Globexでその週の取引を終えていた。WTIは日曜夕方から金曜午後までほぼ24時間取引されるが、金曜の取引が終われば主要な先物市場は日曜夕方まで再開しない。トランプの発表は、8月28日の取引終了後から30日夕方の再開まで、主要な原油先物市場が閉じている時間帯に行われた。CMEグループも、地政学的な出来事や石油政策の変更は世界の石油供給や価格に大きな影響を及ぼし得ると説明している。

発表時刻が生む情報面の優位を考えてみよう。ある市場参加者が数時間前に、トランプが市場終了後に何を発表するのか正確に知っていたと仮定する。大統領が650億バレルの原油に関わる合意を公表し、石油供給が増えてガソリン価格が下がると米国民に明言する予定まで把握していれば、他の市場参加者が主要な原油先物市場の週末取引終了後に知る情報を、取引時間中に利用できる。

市場が閉じる数時間前に内容を知っていたら

事前情報を持つ市場参加者は取引終了前に、原油価格が下がれば利益が出るポジションを構築できる。利用する金融商品自体は本質ではなく、原油には先物、オプション、スワップ、先渡し、現物取引など複数の売買手段がある。重要なのは、市場の他の参加者がまだ知らない重大な出来事を把握した人だけが、その情報を前提に投資判断を下せることだ。

発表内容を市場が原油価格の下落材料と判断すれば、日曜夕方の再開時に原油価格が前週終値を大きく下回る水準から始まる可能性がある。発表前に内容を知っていた人は、その初動を見越して取引できるため明白な優位に立つ。8月28日に誰かが実際に取引したことを示す話ではなく、市場を動かし得る政府発表では発表時刻そのものも検証に値する、というのがここでの論点である。

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