エヌビディアのジェンスン・フアンCEOは米国時間9月3日、自社ブログで買収を発表した。オープンウェイトのAIモデルを共有・配布する基盤を運営するハギングフェイス(Hugging Face)を、129億ドル(約1兆9995億円)で取得する。あわせてフアンは、オープンモデルやアプリを作る開発者のために、ハギングフェイスの基盤を開かれたまま維持すると約束した。
買収額は約2兆円、取引の完了は2027年前半を見込む
エヌビディアが9月3日に米証券取引委員会(SEC)へ提出した書類によると、買収額は129億ドル(約1兆9995億円)で、取引の完了は2027年前半を見込む。ハギングフェイスは2023年に実施した未公開株の資金調達で2億3500万ドル(約364億円)を集め、45億ドル(約6975億円)の企業価値がついた。その資金調達には、エヌビディア、セールスフォース、グーグル、アマゾンといった大手テック企業が出資者として加わっていた。
AI業界の巨人であるエヌビディアは、この共有基盤に「追加の資源」を投じる見通しだとし、モデルやデータセットをアップロードしたりダウンロードしたりして使う開発者を支えていくとしている。
開発者に対し、エヌビディア製の計算基盤は求めないと明言
フアンは7月に公表した公開書簡で、学習済みパラメーターを誰でも入手できるオープンウェイトのモデルを支持する立場を打ち出していた。9月3日のブログでは、公開を支持する立場をさらに強く押し出している。ハギングフェイスを使う開発者は、これまでどおり使いたい計算基盤を自分で選べると記したうえで、「ハギングフェイス上で何かを構築する場合も、ハギングフェイスを通じて展開する場合も、エヌビディアの計算資源は必須にならない」と明言した。
エヌビディアによる買収合意は、8月26日にジ・インフォメーションが最初に報じていた。ハギングフェイスのクレマン・デラングCEOは9月3日、CNBCの番組「スクワーク・ボックス」で、事業の規模を広げる相談を数週間前の「夏の間に」フアンへ持ちかけたと語った。
エヌビディアにとって、過去2番目に大きい買収
エヌビディアの時価総額は約5兆4000億ドル(約837兆円)で、株式市場での評価額としては世界最大の企業だ。ハギングフェイスの買収は、エヌビディアがこれまでに手がけた案件の中でも大きい部類に入る。規模で上回るのは、AI半導体の新興企業Groqから資産を200億ドル(約3兆1000億円)という巨費で取得した2025年の案件だけである。



