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AI

2026.09.04 10:45

アンソロピックが新AI「Fable 5.1」発表、エージェント利用が多いほど実質値下げ

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価格表の単価は据え置き、請求額を動かす項目を下げた

価格表に載る単価を保ちながら、請求額を実際に左右する単価だけを下げる。この組み合わせは、2つのことを同時に達成する。

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価格表に載っている10ドル(約1550円)と50ドル(約7750円)は、企業とのあらゆる価格交渉と、このモデルについて書かれるあらゆる横並び比較の基準になっている。2つの数字は動かないままで、価格交渉と横並び比較で決まるアンソロピックの位置づけも変わらない。一方で、長い手順を何度も繰り返させてエージェントを動かしている顧客は、請求額が4分の1から半分近くまで減るのを目にする。アンソロピックが最も激しく競っているのは、まさにその顧客層である。調達部門が比較の基準にする数字は、1つも動かない。

長時間動くコマンドライン作業で、性能を上げ価格も下げた

性能の主張も同じ方向を指している。アンソロピックの計測では、コマンドライン上で走らせるエージェント型の研究課題を測るTerminal-Bench-Science 0.1で、Claude Fable 5.1は52.6%を記録した。前世代のClaude Fable 5は24.7%、Claude Opus 5は29.0%だった。長時間動き続けるコマンドライン作業での性能を上げ、その長時間動き続けるコマンドライン作業をこそ安くする値付けをする。1つの戦略が、2通りの形で表れている。

価格表の単価は市場での位置を守る。キャッシュ読み出しの単価は、実際の仕事を取りにいく。

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トークンが安くなるほど、計算需要はむしろ増える

価格が下がれば支出も減るという直感は、今回のAIをめぐる循環では一貫して外れ続けてきた。そして、なぜ外れるのかという仕組みもよく分かっている。

何かの単価が下がると、買い手はそれをより多く使う。単価が崩れても、消費の総量はむしろ増えうる。ウィリアム・スタンレー・ジェヴォンズは1865年、石炭の消費にこの型を見いだした。そしてこの型は、AIの推論をそのまま言い当ててきた。各社のモデルをまとめてならしたトークンの平均価格は、2025年第1四半期から2026年第1四半期にかけて、前年比で約67%下がった。学習済みモデルを動かして答えを出す推論の費用も、2026年夏の10週間でさらに43%下がった。同じ期間に、業界全体が支払う計算費用の総額は増えている。

エージェントの作業は、この効果を和らげるどころか強める。以前は20手順で終わるエージェント実行の費用しか出せなかった開発者が、同じくらいの金額で40手順を回せるようになる。そして開発者は長いほうを選ぶ。そのほうが難しい仕事を最後まで片づけられるからだ。繰り返し1回あたりが安くなるほど、人はエージェントを長く走らせておくことを許すようになる。

値下げした企業ほど、計算資源の確保を急いでいる

トークン価格を下げている当の企業が、同時に計算能力の確保へ数千億ドル(数十兆円)を投じる約束をしているのは、そのためである。アンソロピックは2026年8月の最終週だけで、総額約800億ドル(約12兆4000億円)の計算資源契約に署名した。そのうち450億ドル(約6兆9750億円)はエヌスケール(Nscale)との契約である。自社の値下げが需要を減らすと見込んでいる企業は、そんなことをしない。

値下げで浮いた資金は、計算資源を売る側へ流れる

この種の値下げで解き放たれた資金は、消えてなくなるわけではない。取引のうち、供給が足りていない側に立つ相手のところへ移っていく。

エージェント製品を作っているソフトウェア企業は、すでに動かしていた処理について、そのまま利益率が改善する。契約を結び直す必要も、コードを1行書き換える必要もない。その下でソフトウェアを動かしている計算資源の提供者は、安くなった繰り返しが生む追加の処理量を取り込む。AI処理を担う半導体が生み出すもの、つまりトークンの価格が下がり続けているのに、半導体そのものへの需要が供給を上回り続けてきたのは、そのためだ。エヌビディアは2028年1月期の売上高について、約70%の成長という見通しを示した。アナリストが織り込んでいた44%を大きく上回る数字である。エヌビディアの最高財務責任者は、この数字を押し上げているのは受注の不足ではなく供給の制約だと説明している。

AIの値下げを正しく読むとは、価格表の中で実際に処理量を担っている項目を見つけることだ。アンソロピックは、誰もが引き合いに出す数字を1つも変えないまま、エージェント作業を実質的に安くした。そしてこの判断で最も有利な位置に立つのは、その作業が消費していく計算資源を売っている企業である。

forbes.com 原文

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