チームは、意欲の低い学生では脳の報酬回路の活動が低下していると予想していた。ところが実際には、より活発な活動が検出されたのだ。
「無気力な人は、この意思決定を行う際、脳のエネルギーをより多く消費している」とフセインは説明する。この障壁は生理学的なものであり、測定が可能だ。上記のポッドキャスト番組で聞き手を務めたスタンフォード大学の神経科学者アンドリュー・ヒューバーマン(Andrew Huberman)は、この効果について「必要な労力を考えることのコストに、実際の労力のコストが加わる」と述べた。つまり、この2つのコストが重なり合うのだ。
週末に仕上げるつもりだった結婚式のスピーチ原稿を書くのを先延ばしにして、次の週を迎えた経験がある人なら誰でも、思案し続けることの方が実際の作業よりも大きなコストになると知っているはずだ。原稿に取り組まないことを選ぶたびに、恐怖や罪悪感、あるいは自信の小さな喪失といった否定的な感情が生み出される。
フセインはまた、脳は結果から学習し、それを次の計算に反映させるとも指摘する。つまり、タスクを避けたことによる感情的なしこりが、翌日のそのタスクの「価格」を静かに引き上げるのだ。いわば、思案には利息が付き、複利で膨らむ。決断を抱え込む時間が長いほど、その決断を下すコストは高くなる。
これが「感情知能(EI)」の問題である理由
感情知能(EI)とは、自分自身と他者の感情を認識して理解し、その気づきを自身の行動や人間関係の管理に活かす能力だ。これは「自己認識」「自己管理」「社会的認識」「人間関係管理」という4つのコアスキルに分類される。自身のEIの基準値を把握するために、心理学者は自己診断テストを受けることを勧めている。
自己管理は通常、挑発されたときに平静を保つことと説明されがちだが、それ以上の意味を含んでいる。自己管理とは、最終的には自分の感情をコントロールする能力のことだ。したがって、先延ばしと、着手しないことで自ら引き起こすあらゆる否定的な感情を考えれば、これはまさに自己管理の問題であると言える。否定的な感情に主導権を握らせ、その勢力を拡大させてしまっているのだ。一方で、小さな決断をより素早く下せば、待つことによる余計なコストを回避できる。そうすることで、本当に重要なことに、より多くのエネルギーを割けるようになる。


