GEベルノバは、現在、進みつつあるエネルギー転換を支える重電機器をつくっている。AIデータセンターの建設ブームを支える大型ガスタービンから、世界各地で電力系統を更新するために欠かせない送配電機器まで、同社は投資のスーパーサイクルのまさに中心にいる。市場もそれを織り込んでおり、株価のトレンドの強さは米国の大型企業の上位17%に入る。
とはいえ、相場の動きはもう少し込み入った姿を見せている。株価はいったん下げ、直近の高値からは大きく低い水準で取引されている。ここで、モメンタム投資(値上がりの勢いが続く銘柄に投資する手法)においてよく示される疑問が浮かび上がる。本物の事業エンジンが全開で回っているとき、この下げは買いの好機なのか。それとも、これから出てくる好材料はすでに株価に織り込まれているのか。
株高には期待以上の裏づけがあるのか
事業が本当に拡大している証拠は、目に見える形で存在する。GEベルノバの受注残の総額は1760億ドル(約28兆円)まで積み上がり、数年先までの収益の見通しが立つ状態になった。直近の四半期には、従来型の電力会社とデータセンターの双方から需要が重なり、機器の受注は2倍以上に増えた。Electrification(電化)部門のデータセンター向け受注だけでも、2026年上期に50億ドル(約7950億円)を超えた。2025年の通年合計の2倍以上である。
数量が増えているだけでなく、収益性も伴っている。直近12カ月の売上高は13.0%伸び、S&P500構成銘柄の中央値である8.3%を上回った。さらに重要なのは、その成長を現金に変えられていることだ。営業キャッシュフロー・マージン(本業で手元に入ってくる現金が売上高に占める割合)は34%と高く、市場の中央値である22%を大きく上回る。経営陣はこの勢いに十分な自信を持っており、2026年通期のフリーキャッシュフローの見通しを115億ドル(約1兆8300億円)から125億ドル(約1兆9900億円)の範囲へと引き上げた。
市場はこの強さに割高な値をつけている
これほど力強い事業エンジンが、安い値段で手に入るわけではない。株価収益率(PER)は25.6倍で、S&P500の中央値23.3倍をやや上回る。株価売上高倍率(PSR。株価が1株当たり売上高の何倍かを示す指標)は5.9倍と、市場の中央値3.2倍を大きく超えている。つまり投資家は、これから先の拡大分をすでに払っているということだ。



