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2026.09.04 13:30

アップル新CEOは「iPhone依存」から脱却すべきだ

Michael Buckner/Variety via Getty Images

Michael Buckner/Variety via Getty Images

2026年9月1日、ジョン・ターナスがアップルの最高経営責任者(CEO)に就任した。就任初日といっても、彼にとってアップルでの初日になるわけではない。だが、世界で最も注目と羨望を集め、重圧のかかるCEOの座に就く最初の日ではある。彼に課された仕事は、アップルの経済的な成長を維持することだ。そのためには、毎年繰り返されるiPhoneの販売サイクルの先を見なければならない。

iPhoneの市場飽和がアップルの成長を抑える

アップルの主力であるiPhone事業は、世界的な市場の飽和に直面している。新CEOのジョン・ターナスの下で、このハードウェアプラットフォームが2桁の増収を牽引する力は限られる。

最大の課題の一つは、アップルの成長にとってiPhoneが決定的な役割を果たしてきたことにある。2026年のiPhoneプラットフォームには、これまでの稼ぎ頭としての勢いを保てるだけの大きな成長の機会が見当たらない。

iPhoneはこれからも残る。iPad、Mac、Apple Watch、そして現在の製品群も同じだ。アップルはハードウェアの統合をいっそう緊密にし、Appleシリコンを改良し、さらに最適化を重ねることで、これからも上積みを見つけていくだろう。とはいえ、まだ大きな成長が見込めるハードウェア市場は規模が小さく、アップルの利益に与える影響も限られる。アップルが最近になって切り開いた中価格帯のノートパソコン市場はその一つであり、中国市場における折りたたみiPhoneの可能性も同じだ。だが、どちらの市場もそれぞれのかたちで飽和している。

サブスクリプション型モデルがiPhoneの販売サイクルに取って代わる

アップルはiPhoneを、一度売って終わりのハードウェアから、利益率の高いソフトウェアのサブスクリプション収入を継続的に取り込むためのエコシステムの入り口へと作り替えようとしている。

アップルは、ハードウェア中心の事業から、ソフトウェアとサービスの事業へと移れるだろうか。iPhoneはこれまでも常にアップルの中核製品と見なされてきたし、これからもそうだろう。しかし成長は、もはやiPhoneをより多く売ることからは生まれない。生まれるとすれば、サブスクリプションサービスをより多く売るための入り口としてiPhoneを販売することからだろう。

サブスクリプションサービスは、市場にとって先読みしやすい価値をもたらす。利用者の継続率は自然と高くなり、ここ1年間の動向が示すように、ハードウェアを売るよりも振れ幅が小さくなりうる。供給の混乱はハードウェア市場に大きな打撃を与えるが、メーカーにできる手当てはほとんどない。一方、消費者をサブスクリプションに囲い込めていれば、収入が継続して入ってくるだけでなく、利用者とのつながりもはるかに強くなる。

もっとも、サブスクリプションサービスは市場に乱立している。アップルは、最初の申し込みの段階でも、その後の継続課金の段階でも、抜きん出るために相当の努力を求められる。Apple Musicの主なライバルはSpotifyであり、Amazon Musicもしぶとい競合として控えている。さらに規模の小さな定額制の音楽サービスも数多く残っている。Apple TV+には確かに評価の高いドラマがそろっているが、ディズニーやパラマウント、ネットフリックスといった相手と比べれば作品の幅は狭く、物足りないと見られかねない。Apple Fitness+、Apple News+、iCloud+にしても、代わりになるサービスは簡単に見つかる。

ジョン・ターナスは、iPhoneのハードウェアよりも継続的なサービス収入を優先できる

世界的に端末の買い替え率が頭打ちになるなか、アップルの企業価値を守るには、ジョン・ターナスがハードウェアの販売台数よりもサブスクリプションによる収益化を優先する必要がある。

アップルのソフトウェアサービスとハードウェアは、互いに支え合う関係にある。だが、その均衡は変わらざるをえない。ハードウェアの販売が大きく伸びないのであれば、ソフトウェアの収入は、新しい市場や、他のデバイスの上や、はるかに競争の激しい領域といった別の場所に求めるしかない。

ジョン・ターナスが短期・中期でアップルの財務基盤を固めようとするなら、iPhoneに見込まれるどんな進化よりも、サブスクリプション収入を伸ばすことのほうがはるかに重要になる。現在の市場の状況は、そう示している。

forbes.com 原文

翻訳=酒匂寛

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