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2026.09.03 10:16

AI時代の企業向けソフトウェア導入、変わるのは「知識」の扱い方

Adobe Stock

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企業におけるAIをめぐる議論の大半は、ソフトウェアそのものに集中している。より優れたERP(企業資源計画)、よりスマートなCRM(顧客関係管理)、新たな自動化プラットフォーム、新たなエージェントなどだ。しかし私の経験では、企業向けソフトウェアで最大のコストは、これまでライセンスではなかった。それは導入である。そして導入には、AIが解決するのに特に適した問題がある。知識だ。

ERP導入、CRM展開、プラットフォーム移行はいずれも、おおむね同じ流れをたどる。ディスカバリー(現状把握)、要件定義、設定、テスト、トレーニング、カットオーバー(本番移行)である。作業は労働集約的だが、より根深い問題は、重要な知識がワークショップ、スプレッドシート、メール、Slack、PowerPoint、そして何より、その作業を担うコンサルタントの頭の中に分散してしまうことにある。

ガートナー(Gartner)によると、世界のITサービス支出は2026年に6兆ドル(約958兆円)を超えると予測されている。その大部分はシステムインテグレーションに向かう。つまり、企業向けソフトウェアを実際のビジネスの中で機能させるコンサルタント、プロジェクトマネジャー、導入チームである。そして、その資金の使われ方は30年間ほとんど変わっていない。

よくあるシナリオを紹介しよう。コンサルタントのチームが現地に赴き、ワークショップを開催する。PowerPointでプロセス図を作成し、スプレッドシートで要件を定義する。会議で聞いた内容に基づいてシステムを設定し、テストを行い、修正し、最終的に稼働にこぎつける。その多くは予定より遅れ、予算を超過する。組織的な知識はシニアコンサルタントの頭の中に蓄積される。そして彼らがプロジェクトから離れると、その知識も一緒に失われてしまうのだ。

これが導入の問題である。単なる労働力の問題ではない。知識管理の問題なのだ。

知識の問題がシステムインテグレーターに圧力をかける仕組み

AIネイティブなERP導入企業のCEOとして、私はこれまで、コンサルティングチームが財務、業務、調達、ITの各部門のステークホルダーにヒアリングを行う、数十ものディスカバリーワークショップに立ち会ってきた。そこでは、各自がそれぞれの視点からビジネスの仕組みを説明する。意思決定は非公式な会話で行われ、セッションごとに要件が変化する。設定作業が始まる頃には、実際に語られた内容と記録された内容との間に、大きな乖離が生じているのだ。

私たち自身の業務でも、勘定科目体系の設計、原価計算方法、転記グループ設計といった重要な意思決定が非公式に行われ、文書化されるとしても一貫性を欠くことが多いと分かっている。その結果は予測可能だ。手戻り、スコープクリープ、そして危険水準に陥るプロジェクトである。

実際、マッキンゼー・アンド・カンパニー(McKinsey & Company)のトランスフォーメーション部門は、大規模な変革施策の70%が目標を達成できないことを明らかにしている。理由は方法論が悪いからではない。知識が分断されているからだ。

AIはこの構図を変え得る。ただし、システムインテグレーターがどのように圧迫されているかも認識しなければならない。顧客や取締役会はAIの実力を目の当たりにし、なぜソフトウェアの導入にいまだにこれほどの時間とコストがかかるのかと疑問を呈している。その一方で、根本的に異なるコスト構造を持つAIネイティブな競合企業が市場に参入しつつある。従来のモデルは、工数、人員、時間と資材といった「インプット(投入価値)」に対して請求していた。しかし顧客は、迅速に納品され、想定外のトラブルが少ない、正常に稼働するシステムという「アウトプット(成果)」に対して対価を支払うことをますます望むようになっている。

AIネイティブな導入は実際にどう見えるのか

この変化は、コンサルタントをチャットボットに置き換えることではない。彼らが時間を費やす対象を変えることだ。

現在、導入作業の大部分は機械的なものである。会議の発言を要件定義書に書き起こし、要件を設定に変換し、テストスクリプトを記述し、ドキュメントを作成し、ばらばらのツール間で意思決定を追跡するといった作業だ。AIはこれを劇的に加速できる。

AIネイティブなモデルは、ディスカバリーをリアルタイムで取得し、自動的に構造化できる。手作業で照合することなく要件をシステム機能に対応づけ、ビジネスルールからテストスクリプトを生成できる。さらに、メール、Slack、スプレッドシート、共有ドライブにまたがるのではなく、単一の記録システム(システム・オブ・レコード)で意思決定を追跡できる。

この領域で事業を構築する中で私が学んだのは、コンサルタントの役割は消えないということだ。それは変化する。ERP導入において人間にしか担えない中核的な仕事は判断である。勘定科目体系をどう構成するかを決め、原価計算方法を選び、期首残高を照合し、例外処理を設計することなどだ。そうした意思決定の周辺にあるすべての作業で、AIは時間軸を圧縮する。

また、あらゆるプロジェクトは構造化された知識を生み出す。特定の業界がどのように総勘定元帳を設定するか、どのシステム連携が最も壊れやすいか、どのような要件定義の言語表現がどのシステム設定に対応するか、どのようなプロセス設計が導入後の定着化の問題を引き起こすか、といった知識だ。従来のモデルでは、その知識はエンゲージメント終了時に社外へ持ち出され得る。AIネイティブなモデルでは、それはプラットフォームの一部になるべきだ。それぞれの導入実績が、次の導入をより迅速に、より正確に、そしてより低リスクにすることにつながるのだ。

これこそが、次世代のシステムインテグレーターを現在の世代から分けるものになると私は考えている。AIツールを使える能力だけではない。導入知識をエンゲージメント全体で体系的に蓄積し、適用できる能力である。

企業リーダーにとって重要な理由

ERP移行や大規模導入を検討しているなら、システムインテグレーターに、ディスカバリーをどのように取得し構造化しているかを尋ねてみてほしい。ワークショップが終了した後、要件がどこに存在するのかを尋ねるべきだ。彼らのプロセスがエンゲージメントを重ねるごとに改善されるのか、それとも毎回ゼロから始まるのかを問いかけるべきである。

どのソフトウェアを選ぶかは重要だ。しかし、その導入方法こそが、資金の大半が投じられる場所であり、プロジェクトの成否が最も左右される場所であり、企業活動のあり方に対してAIが最大の実務的影響を及ぼす場所なのである。

forbes.com 原文

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