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働き方

2026.09.03 10:09

コロナ禍で学んだはずの4つの教訓——リーダーが忘れ、それでもなお重要な理由

Adobe Stock

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新型コロナウイルス感染症(Covid-19)は、政府、企業、個人に対し、多くの人が可能とは思わなかった速度での適応を迫った。仕事はオンラインに移行し、サプライチェーンは再設計され、変えられないとされてきたルールが数日で書き換えられた。組織は、不可能と考えていた多くのことが、実は単に不慣れだっただけだと気づいた。

しかし、組織の記憶は短い。当面の危機が過ぎ去ると、多くの組織はオフィスに戻るだけでなく、戦略、人材、リスクに関する古い前提にも回帰した。緊急事態の後には、レジリエンス(強靱性)の物語を保ちながら、組織を脆弱にしていた仕組みを密かに復活させたくなる誘惑がある。

Covid-19が組織と社会に残した教訓についての書籍の一章で、私は一見単純な4つの教訓を挙げた。すなわち、手を洗うこと、人種差別をしないこと、人は在宅でも生産性を維持できること、そしてサプライチェーンが重要であることだ。CEOと取締役会にとって、これらはいずれも組織のレジリエンスを試す実践的な試金石であり続けている。

1. 流行を追う前に、基本を徹底する

「手を洗う」は、パンデミック期に最も基本的な指示だった。組織における同等の教訓も同じく基本的である。企業がなぜ存在するのかを忘れず、その目的を確実に遂行することだ。

取締役会が人工知能(AI)、デジタル変革、新興ビジネスモデルについて問うのは当然だ。しかし、トレンドへの感度は、業務遂行の規律の代わりにはならない。「AIネイティブ」を標榜する企業でも、納期を守れず、帳簿を整合できず、データを保護できず、苦情に応じられず、製品品質を維持できなければ、顧客を失う。

テクノロジーは業務モデルを強化するべきであり、その弱点を覆い隠すものであってはならない。次の変革プログラムを承認する前に、リーダーはこう問うべきだ。顧客は、私たちが守るべきどの中核的な約束に対価を払っているのか。私たちはどこで繰り返しその約束を果たせていないのか。どの基本的な統制、能力、サービス基準に投資が必要なのか。

組織があらゆるトレンドを見逃したせいで崩壊することはめったにない。多くの組織は、非凡な物語を追いかけながら平凡な義務を怠ったために衰退する。

2. 公平性を人材インフラとして扱う

パンデミックは、ジョージ・フロイド殺害を受け、反黒人差別をめぐる世界的な見直しと重なった。多くの組織が公平性、多様性、包摂性への取り組みを表明した。しかし、その後方針を撤回した組織もあり、公平性と実力主義を対立するものとして提示することが少なくない。

それは誤った二者択一である。健全な公平性の実践は、資格のない人材を採用したり、基準を引き下げたりすることを求めるものではない。実力が認められる範囲を広げ、非公式なネットワーク、親近感、受け継がれたアクセスの影響を減らすものだ。

ビジネスリーダーにとって、これは単なる道徳上の問題ではない。人材配分の問題である。10年の経験を持つ移民のエンジニアが、資格を有しているにもかかわらずエンジニア・イン・トレーニングに分類されたままであれば、組織は生産能力を十分に活用していないことになる。顧客と接する企業の意思決定者が、サービスを提供するコミュニティを理解していなければ、その企業は市場インテリジェンス上のリスクを負う。そして、同等の仕事をしている女性が男性の同僚より低い賃金しか受け取っていないなら、組織は重要な人材を失う脆弱性を自ら抱え込んでいる。

したがって取締役会は、誰が組織に入り、誰が昇進し、誰の資格が過小評価され、採用後に誰が支援を受けているのかを検証すべきである。採用時の文言を変えるだけで、昇進、報酬、後継者育成の仕組みを手つかずのままにしていては、インクルージョンは実現しない。

3. 可視性ではなく成果を測る

Covid-19は、生産的な仕事には常に物理的な出社が必要だという前提に疑問を突きつけた。法的文書はリモートで締結され、世界規模の会議はオンラインに移行した。従業員は長時間の通勤をなくし、多くの職務で従来通りの成果を維持した。

これは、すべての仕事をリモートにできるとか、オフィスに価値がないという意味ではない。協働、メンタリング、組織文化は対面のやりとりから恩恵を受けうる。教訓は、勤務場所は管理者の習慣ではなく仕事に応じて決められるべきだということだ。Nature誌に掲載された大規模なランダム化研究は、ハイブリッドワークが業績を損なうことなく定着率を高めることを明らかにした。

よりよいガバナンス上の問いは、「従業員は週に何日デスクにいるのか」ではない。「異なるチームが最高の仕事を生み出すために、どのような条件が役立つのか」である。

そのためには、明確な成果、信頼できる業績指標、そして監視するのではなく率いる訓練を受けた管理職が必要だ。また、生産性に対する労働者の主体性を重視するアプローチも支える。つまり、生産性を資本支出や経営陣の指示だけが生み出すものとして扱うのではなく、労働者により多くの価値を創出するためのツール、自律性、インセンティブ、評価を与えるということだ。

4. 破綻する前にサプライチェーンをマッピングする

Covid-19は、開かれた市場が圧力下でいかに速く狭まるかを露呈させた。ワクチン、防護具、半導体、輸送能力は国益の道具となった。パンデミックや世界的な紛争のような危機の際には、戦略的な依存関係が一夜にして大きな課題に変わり得る。例えば、ホルムズ海峡の閉鎖は、企業に重大な課題をもたらしてきた。

企業には、全社レベルでの明確な把握が必要である。経営陣は、重要なサプライヤー、地理的集中、単一障害点、規制上の依存、不可欠な投入物を代替するのに必要な時間をマッピングすべきだ。取締役会は、緊急時対応計画が、単に1社のベンダーを失う場合だけでなく、同時多発的な混乱の下でもなお信頼できるものかを検証すべきである。

この作業は機会も明らかにしうる。バリューチェーンの垂直的・水平的なつながりを理解することで、隣接する製品、提携の可能性、買収候補、新市場が見えてくることもある。レジリエンス計画は防御的なだけではなく、成長の源泉にもなりうる。

永続する教訓とは何か

危機から得られる最も価値ある教訓は、緊急対応策そのものではない。危機によって誤りだと証明された前提である。

取締役会と経営陣にとって、試金石は明快だ。基本は実行されているか。人材は十分に活用されているか。仕事は成果を軸に設計されているか。戦略的な依存関係は不足に転じる前に理解されているか。

有益な年次の取り組みとして、この4つの問いを取締役会の議題に載せ、回答には安心材料ではなく証拠を求めることが考えられる。組織が教訓を保持するのは、リーダーがそれを覚えているからではない。ガバナンスの仕組みが、それを意思決定、指標、説明責任へと転換するからである。

Covid-19は、必要だと信じたときに組織が迅速に変わりうることを示した。リーダーシップの課題は、次の緊急事態が選択の余地を奪う前に学ぶことだ。

forbes.com 原文

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