ビットコインは先月急騰して以降、ほぼ10%下落した。米国が40兆ドル(約6380兆円)規模の「デススパイラル」に突入しつつあるとの懸念が強まっているためだ。
ビットコイン価格は、先月の8万1000ドル(約1290万円)超から1ビットコインあたり7万6000ドル(約1210万円)まで下落した。世界的な金融危機を巡るトレーダー間のパニックが強まっている。
ビットコインや暗号資産(仮想通貨)の価格が乱高下するなか、注目される著名投資家の1人は、スコット・ベッセント米財務長官が再び債券市場に介入すると予想していると述べた。
「懸念されているのは、債券自警団が野放しとなり、巨額の政府赤字、膨れ上がる政府債務、急増する政府の利払い費に抗議する形で利回りを押し上げているということだ」と、1980年代に「債券自警団」という言葉を生み出したヤルデニ・リサーチ社長のエド・ヤルデニは、ロイター通信が報じたコメントで述べた。
「もし(米10年債利回りが)5%に達すれば、ベッセント財務長官を含め、債券への強い需要が生じるとみている。売りパニックを回避する必要があれば、同長官は短期国債を増発し、国債を買い戻すだろう」
先月、借り入れコストの低下を狙ったベッセントの債券市場支援の突然の約束は、市場に衝撃を与えた。
世界の債券利回りは今週再び急上昇し、米10年国債利回りは2023年11月以来の最高水準となる4.814%を付けた。
米国および他の主要国における借入コストの急上昇は、原油価格の高騰が原因とされている。原油価格は、米国とイランの戦争が制御不能に陥りつつあるとの新たな懸念のなか、1バレルあたり90ドル(約1万4300円)の水準に戻った。
その結果、2週間後の米連邦準備制度理事会(FRB)による利上げ観測は70%に達し、ビットコインや暗号資産といったリスク資産に圧力をかける一方、金に対する投資家需要も弱めている。
他の市場関係者からも、ベッセントが再び債券市場に介入し、それがビットコイン価格を押し上げる可能性があるとの予想が出ている。
「ベッセントの介入は、米中間選挙を前に利回りを引き下げるため、政権が行動をためらわないという重要なシグナルであり続けている。しかし、発表された規模では明らかに不十分だ」と、21Sharesのマクロ責任者スティーブン・コルトマンは電子メールでのコメントで述べた。
「我々は、ベッセントが今後数週間でさらなる財務省の介入によって攻勢を強めると予想している。財務省短期証券の売却で資金を調達し長期国債を買う手法は、実質的にはFRBが銀行準備を発行して資産を買い入れる方式(つまり量的緩和)とほぼ同一だ。これは市場の反応にも表れており、その結果、『デベースメント(通貨価値の希薄化・下落)』を織り込むトレードが大きく上昇した。リスク資産が苦戦するなかでもビットコインが極めて底堅く推移していることは注目に値する。投資家は、利回りを抑え、ドルを弱めるための追加措置を織り込みつつあるからだ」



