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自動車投資を最大化する方法やその他に関する執筆を担当。

JuliusKielaitis / Shutterstock

伊自動車メーカーのフィアットは、その象徴とも言える「124 スパイダー」の新モデルを、今年のロサンゼルス・オートショーで意気揚々と発表した。フィアットの北米市場再参入に、真っ先に投入されるべきだったと、とても残念に思う。大西洋の向こう側に住む、ある程度の年齢の大人であれば、1960-1970年代当時の「124 スパイダー」のことを、なめらかなデザインで手頃な価格のスポーツカーだったと好意的に思い出すことだろう。

今回の「124スパイダー」は、モデルチェンジしたばかりのマツダ「MX-5ミアタ」をベースにしているが、イタリアのトリノにあるフィアットCentro Stileスタジオ(フィアット社内デザインセンター)が主な外装デザインを手掛けており、原型デザインを彷彿とさせる。

フィアット版MX-5は、フィアット「500L」にも搭載されている同社製1.4リッター4気筒ターボエンジンを採用、最大出力は160hp、最大トルクは25.4kgm。6速MTと6速ATが設定されており、大型で重いワゴンカーの「500L」よりもかなりエネルギッシュな感覚を得ることが出来る。

しなやかな「124スパイダー」のサスペンションは、前輪がダブルウィッシュボーン式、後輪はマルチリンク式だ。即応性と軽快なハンドル操作を同時に叶えるために電動式パワーステアリングを採用している。内装・外装のグレードは「Classica(クラシカ)」と上位モデルの「Lusso(ルッソ)」の2種で、ボディカラーは「Rosso Passione(赤)」「Bianco Gelato(白)」 「Nero Cinema(ブラックメタリック)」「Grigio Argento(グレーメタリック)」「Grigio Moda(ダークグレーメタリック)」そして個人的に気に入っている「Bronzo Magnetico(ブロンズメタリック)」という具合だ。


最近は、特にこのようなコンバーティブルタイプの小さな車両は、温暖な観光地に配備されるレンタカー以外、需要が乏しい。

マツダは2014年通期で「MX-5ミアタ」を何とか4,745台販売した。見飽きたデザインではあるものの、フルモデルチェンジしたこの車型を販売会社の店頭に飾ることで勢いづくと期待したが、かなりの大差でマツダが販売台数の最下位にとどまる公算が大きい。

かなり多くのドライバーが最近ではクロスオーバーSUVに夢中になっている。BMWの 「X1」 と「X3」、ポルシェの「マカン」など、特に最近は小型スポーツモデルのSUVが波に乗っている。価格上はかなり低い設定のマツダの「CX-3」 と「CX-5」も同様だ。しかしシボレーのカマロ、フォードのマスタングのように、大型で男性的なスポーツカーは、北米市場において依然として人気が高い。

フィアットは、精悍な外観でより高い人気誇るジープ「レネゲート」とプラットフォームおよびコンポーネントを共用する、スポーティなクロスオーバー「500X」という自社製品を持っている。しかし米国の自動車業界紙オートモーティブ・ニュースが伝えるところによると、小さいサブコンパクトカータイプの「500X」は「500クーペ」の売り上げを共食いしているだけのようで、商機拡大のプロセスにおいて、ショールーム訪問客の増加にはほとんど役に立たなかった。その「500X」が今やフィアットで一番の売れ筋モデルとなったが(先月の売り上げ台数は2,178台。一方で、大規模な販売網が背景にあるとはいえ、レネゲートは7,795台)、フィアット「500」の売り上げは今年これまでの10ヵ月間で23%減少、ワゴン型「500L」も25%落ち込み、10月に納車された「500L」はたったの293台だった。

さらに追い打ちをかけるのは、フィアットの北米市場における信頼性評価の低さだ。由緒あるコンシューマー・レポートから、最も信頼性の低いクルマとして「500L」を名指しされたばかりではなく、全ての自動車メーカーの中でも最下位に位置付けられてしまった。それでも最近市場に出た製品は最悪の時代のものとは全く違うレベルにある。かつてフィアットのお粗末な技術力は、FIATという社名が「Fix It Again, Tony(また修理してよ、トニー)」の略称だというイメージを植え付けてしまった。

四輪駆動モデルが加わったステーションワゴンの「500X」以外の選択肢として、「500L」が不具合を修正した上で再登場し、空間的に余裕があるクロスオーバーという枠を超えた存在になれば、フィアットの低迷を救うことが出来るかもしれない。また幅広い顧客に届くように、MINIが「クーパー」に展開したような4ドアの「500クーペ」「500コンバーティブル」の登場を期待している。高性能を誇るアバルト版「500X」の開発は言うまでもない。おそらくフィアットの幹部は、切羽詰まった販売会社に幅広い車種を提供しようと、風変りな欧州モデル車を北米に投入しようと考えているかもしれないが、それでは北米のトレンドに背を向ける少数派の支持を得る程度になってしまう。

編集 = Forbes JAPAN 編集部

 

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