米アップルは米国時間1日、同社が運営する地図アプリ「マップ」で、米国とカナダの国境にまたがる五大湖の1つ、オンタリオ湖の名称を「アメリカ湖(Lake America)」に変更した。これに先立ち、ドナルド・トランプ米大統領はカナダとの貿易戦争を受け、オンタリオ湖の名称変更を命じる大統領令に署名していた。
トランプ大統領がアップルに「直接」連絡、表記変更を要請
ダグ・バーガム米内務長官は先月31日、米ニュースチャンネルFOXビジネスに対し、トランプ大統領が自らアップルに「直接」連絡を取り、地図上の名称変更を要請したと明らかにした。同大統領は先週、国内の地名と位置情報を収める米政府のデータベース「地名情報システム(GNIS)」を30日以内に更新するようバーガム長官に指示していた。
地図アプリの表記は国ごとに分かれ、カナダでは「オンタリオ湖」のまま
米グーグルも先月29日、自社の地図アプリ「Google マップ」で同湖の名称を変更した。これに伴い、米国内ではアメリカ湖と表示されるようになったが、カナダでは従来通りオンタリオ湖と表示される。米ブルームバーグ通信によると、アップルマップもカナダでは引き続きオンタリオ湖と表示される一方、米国を含むカナダ国外では両方の名称が併記されるようになった(編注:2026年9月2日現在、日本版Google マップではオンタリオ湖とのみ表示される)。グーグルも同様の方針を採用している。アップルは2月11日にもトランプ大統領の命令に従い、地図アプリを更新し、メキシコ湾の表記を「アメリカ湾」に変更していた。
カナダが報復関税を決めた2日後、トランプは改名を命じた
トランプ大統領が7月、カナダからの輸入品に50%の追加関税を課す布告に署名したことに対抗し、カナダも米国製品に対する報復関税を課した。トランプ大統領はこの数日後、オンタリオ湖の名称を変更するよう命じた。
カナダ・オンタリオ州のダグ・フォード知事は、両国の貿易戦争でトランプ大統領を最も率直に批判してきた人物の1人だ。同知事は先週末、オンタリオ湖北岸に「オンタリオ湖。今も、そしてこれからも」と記した看板を掲げた。同知事はまた、トランプ大統領が同湖の名称変更を命じたのは、「オンタリオ州やカナダが自らの立場を表明することを気に入らないからに他ならない」と批判した。
関税が自動車製造と金属を直撃、オンタリオ州の経済が揺らぐ
関税の対象となっている自動車や金属といった産業は、オンタリオ州経済の重要な部分を占めており、同州は米国との貿易戦争によって大きな影響を受けている。フォード知事は「わが国は米国にとって最大の自動車輸入国であり、同国は既に影響を実感しているだろう」と述べ、貿易戦争は米国側にも打撃を与えると指摘した。カナダは年間数十億ドル相当の自動車を米国から輸入している。



