「オンライン地図の草分け」を標榜する地図アプリの米MapQuestが、予期せぬ注目を集めている。
きっかけは、ドナルド・トランプ米大統領が北米五大湖の1つでカナダとの国境にあるオンタリオ湖の名称を「アメリカ湖(Lake America)」に変更する大統領令に署名したことだ。米連邦政府の公式地名データベース「地名情報システム(GNIS)」に名称変更が反映されたにもかかわらず、1990年代に創設されたMapQuestは、自社の地図アプリ上では「オンタリオ湖」の表記を継続すると発表。その後、米国とカナダのダウンロード数ランキングで首位に躍り出た。
「われわれは変更しない」。トランプがオンタリオ湖の名称変更を正式に命じた8月27日、MapQuestはX(旧ツイッター)への投稿でこう宣言した。
トランプの動きは、米国とカナダの貿易交渉が決裂したことを受けてのものだ。両国間では大きな緊張が生じている。
MapQuestは1996年、地図や運転ルート案内を提供するウェブサイトとしてサービスを開始した。当時は、インターネットを介して運転ルート案内を入手すること自体が画期的だった時代。ユーザーは住所を入力し、表示される地図や道順を印刷して車内に持ち込むかたちで利用していた。
それだけに、MapQuestという名称はインターネットの黎明期、すなわちスマートフォンが登場し、Googleマップやアップルの「マップ」といった地図サービスが生活に定着する以前の時代を連想させる。
We’re not changing it. pic.twitter.com/NdeE9v2BNO
— MapQuest (@MapQuest) August 27, 2026
「えっ、MapQuestってまだあったの?」
同社がオンタリオ湖の名称を「アメリカ湖」に変更しないと発表すると、ソーシャルメディア上には、この老舗の地図サービスがまだ存在していたことに対する驚きを表明する声があふれた。
しかし本記事執筆時点で、MapQuestの地図アプリは米国のApp Storeにおける無料アプリのダウンロード数ランキングで3位、ナビゲーションアプリ部門ではGoogleマップを僅差で上回って1位にランクインしている。また、カナダのApp Storeでは無料アプリ部門、ナビゲーションアプリ部門とも1位となっている。



