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2026.09.03 07:30

エヌビディアは自社製品への需要を「自らの資金」を使って生み出している

John - stock.adobe.com

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エヌビディアはもはや単なる半導体企業ではない。AI革命における中央銀行とでも呼ぶべき存在へと姿を変えつつある。

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同社はいま、顧客のために5000億ドル(約80兆円)を超える外部資本を集めることになる金融プラットフォームの立ち上げに手を貸している。さらに、最先端のAIモデルを開発するフロンティアAIラボに500億ドル(約8兆円)近くを直接出資しており、事実上、自社製品への需要を自ら支えている。

この、資金の出し手としての新たな役割が、そのまま売上を動かす原動力になっている。ハイパースケーラー(大規模クラウド事業者)以外の顧客を対象とするACIE(AIクラウド事業者・産業界・企業向けの事業区分)は、いまや事業のおよそ半分を占め、年率100%で拡大している。毎年の伸びが積み重なっていくこの構図こそが、ここから先の上昇余地を支えている。

問題は、その勢いがここからさらに意味のある上昇を生むほど強いのか、それとも現在の株価がすでに楽観の大半を織り込んでしまっているのか、である。結論から言えば、前者の見方が優勢だ。保守的な前提による3年後までのシナリオでは、エヌビディア株におよそ57%の上昇余地がある。事業の実態を追う限り、その見立てには裏づけがある。利益の数字は正しい方向を向いている。ただし、PER(株価収益率)が下がることで、その伸びが株価に影響する前に打ち消される見込みだ。

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この試算の土台にある事業の状況は、以下のとおりだ。

PER:27.3倍
PER(3年平均):41.6倍
売上高成長率(直近12カ月):83%
売上高成長率(3年平均):117%
純利益率(直近12カ月):64%
純利益率(3年ピーク):64%
純利益率(3年平均):54%

積み重なる成長が上昇余地をどう生むのか

売上高は年30%で伸び、3年で3030億ドル(約48兆円)から6656億ドル(約106兆円)になる。直近12カ月の83%からはさらに一段の減速であり、この事業にすでに表れている鈍化の傾向と一致する。

純利益率は64%から61%へ下がる。足元の直近12カ月の水準が、3年平均の54%に向かって部分的に戻っていくという想定だ。この二つを合わせると、利益は1929億ドル(約31兆円)から4048億ドル(約65兆円)へと110%増える。

利益の伸びと株価の伸びが分かれるのは、ここからだ。エヌビディア株のPERはすでに27.3倍で、3年平均の41.6倍を下回っている。シナリオではこれをさらに20.5倍まで引き下げる。今後の成長率が鈍る以上、足元の倍率すら正当化できなくなるからだ。

この調整一つで、利益成長が本来もたらしたはずの上昇のうち、およそ25%が消える。引き下げたPERを増えた利益に当てはめると、株価は342.46ドル(約5万4800円)、時価総額は現在の5兆3000億ドル(約848兆円)に対して8兆3000億ドル(約1328兆円)となる。現在の株価水準からおよそ57%上である。株価を押し上げているのは利益だ。だが、その相当部分は、株価に届く前にPERの低下によって打ち消される。

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翻訳=酒匂寛

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