28日のウォーシュの講演を経て、早期に利上げが実施されるとの見方はさらに強まった。CMEグループのFedWatchツールによると、FOMCの9月会合で利上げが実施されるとの予測確率は現在66.2%に達している(講演前は約36%だった)。また、10月または12月会合ではさらに高く、それぞれ75.9%、89.7%となった。
8月31日夕方、ドナルド・トランプ大統領は金利政策に言及し、米国は「世界で最も低い金利」を維持すべきだと記者団に語った。トランプは「昔は良い経済指標が出れば金利は下がったものだ。しかし今は、FRBらがインフレを恐れすぎるあまり、良い数字が出ると金利が上がってしまう」と不満を漏らした。
その一方で、ウォーシュには敬意を払っているとし、彼は金利について「成すべきことをするだろう」と述べている。トランプは長年FRBに利下げを求めており、金利政策をめぐって対立したジェローム・パウエル前議長を度々批判していた。
今週発表が予定されている重要な経済指標も貴金属価格に影響を与える可能性がある。9月2日にはADP雇用統計が、4日には労働統計局による月次雇用統計がそれぞれ発表される予定だ。
金と銀の価格は今年初めに史上最高値を更新した。1月のピーク時には金価格が約5600ドル、銀価格も過去最高の121ドルを付けていた。こうした急騰の背景には、トランプ政権による関税措置、地政学的な緊張の高まり、ハイテク産業からの高い需要、そして米国の利下げなどがある。
しかし、利下げ慎重派と見なされていたウォーシュが新しいFRB議長に指名されたことを受け、貴金属価格は1月下旬に急落した。さらに、イラン紛争が始まって以降高止まりする原油価格とは対照的に、金属価格はおおむね下落傾向にある。


