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2026.09.02 07:22

人材を巡る世界的競争が地政学的レースになりつつある理由

stock.adobe.com

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私たちは、分断に定義される時代に突入しつつある。地政学的な緊張が貿易関係を再構築している。戦略的競争は激化している。地域紛争は安定を揺るがし、これまでのグローバリゼーションの数十年を特徴づけていた相互接続性に比べ、経済安全保障や技術的主権がより重視されるようになっている。

同時に、多くの先進国は、注目度ははるかに低いものの、同様に深刻な結末をもたらしかねない課題、すなわち人口減少に直面している。

欧州、東アジア、北米の一部では、出生率が人口置換水準を下回る一方で、人口の高齢化が急速に進んでいる。国連の最新の世界人口推計によれば、多くの国で今後数十年にわたり生産年齢人口が縮小すると予測されており、労働市場、生産性、経済成長への圧力が強まるとみられる。

これら2つの力、すなわち地政学的な分断と人口の縮小が収れんし、新たな現実を生み出している。それは、人材が世界で最も戦略的に重要な資源の一つになりつつあるという現実だ。

人材がこれまで以上に重要な理由

世界経済フォーラムの雇用の未来レポートは、2030年までに労働市場を再形成する最も重要な力として、人口動態の変化、技術変革、地経学的分断を挙げている。業界を問わず、雇用主はスキル不足が成長とイノベーションに対する大きな障壁になっていることを認識している。

AIはおそらく最も分かりやすい例だろう。組織はAIインフラ、研究開発に多額の投資を行っている。AIは世界的な競争における主要なフロンティアとなっており、私たちはすでに、この技術が持つ変革の力を目の当たりにしている。

しかし、技術だけでイノベーションが生まれるわけではない。画期的なモデル、成功したスタートアップ、革新的なアプリケーションの背後には必ず、その専門性によってイノベーションを可能にする高度なスキルを持つ人材がいる。同じ原則は、テクノロジーや製造業から金融、クリーンエネルギーに至るまで、あらゆる分野に当てはまる。インフラは構築でき、資本は投下でき、政策は実行できる。だが、持続的な成功は最終的に人にかかっている。

知識主導型経済において、組織の競争優位は、卓越した人材を引きつけ、育成し、維持する能力によってますます左右されるようになっている。

国境なき人材市場の台頭

同時に、働き方そのものの性質も変化している。企業は今や、国境のない採用市場で活動している。ロンドンに本社を置くテクノロジー企業が、ドバイの開発者、シンガポールのデザイナー、トロントのエンジニアを採用できる。リモートワークやハイブリッドワークは国際的な人材プールへのアクセスを広げ、高度なスキルを持つプロフェッショナルは、どこに住み、どこで働くかを決める際、かつてない柔軟性を手にしている。

この変化の影響はすでに見えている。世界で最も影響力のある企業の一部は、生まれた国を大きく越えてキャリアを築いた人物によって率いられている。起業家は複数の法域にまたがって事業を立ち上げ、経営幹部は世界的なイノベーション拠点へ移り、高度人材は自らの影響力を最大化できる場所で機会を追求している。

人材は、地理からますます切り離されつつある。野心的で高度なスキルを持つ人材を引きつける企業の能力は、経済的成功を左右する重要な決定要因として浮上している。

移動の自由は、もはや単なる移民政策上の問題ではない。ビジネス上の問題となり、さらに地政学的な問題になりつつある。

戦略的優位としての移動性

ここで投資移民が議論に入ってくる。人材が世界で最も価値ある資源の1つになりつつあるなら、移動性は重要な実現手段になりつつある。

従来、投資移民は富裕層の資産設計や渡航の自由と結びつけられてきた。しかし現在では、国際的に移動可能な起業家、投資家、高付加価値人材を巡るより広範な競争の一部になりつつある。

投資移民は本質的に、双方に価値を生み出す。国は投資、事業活動、人的資本へのアクセスを得る。個人と家族は、不確実な世界でますます価値を増しているもの、すなわち選択肢を得る。

複数の法域で生活し、働き、学び、投資できる能力は、政治、経済、技術の変化が急速に起こり得る環境において柔軟性をもたらす。国際志向の多くの人々にとって、移動性はもはや単なる利便性ではない。レジリエンスと長期計画のための手段として、ますます捉えられるようになっている。

投資移民の進化

業界自体も、こうした優先事項の変化を反映して進化している。一部の政府は、呼び込みたい価値についてより選別的になっている。議論は、金銭的貢献だけを超え、より広範な経済的インパクトへと移っている。起業家、イノベーター、科学者、研究者、ビジネスリーダーは、提供できる専門性ゆえに、富裕層と同じくらい価値ある存在になっている。

この変化は、メリットに基づく市民権への関心と導入の拡大に表れている。これは、投資額の大きさだけでなく、個人がもたらし得る価値に基づいて居住権や市民権を付与する枠組みである。例えばUAEのゴールデンビザは、社会に前向きな影響を与え、貢献できる医療専門職や教員を対象に含めるよう拡大された。

この傾向は、ビジネスリーダーが理解すべきより大きな現実を映し出している。成功はもはや資本だけで決まるのではなく、将来の繁栄を生み出せる人材を引きつける能力によって決まるのである。

ビジネスリーダーにとっての新たな現実

ビジネスリーダーにとって、この変化を理解することは不可欠になりつつある。世界各地で政府は移民制度を再設計し、専門ビザを導入し、デジタルノマドプログラムを開始し、居住権や市民権への新たな道筋を模索している。

今後10年で成功する企業は、野心的で、移動性が高く、高度なスキルを持つ人材にとって最も魅力的な環境をつくる企業かもしれない。

分断が深まる世界において、人材を巡る競争は経済戦略を特徴づける要素になりつつある。ビジネスリーダーはこの現実を理解している。人材獲得競争を制する者こそが、未来の経済を形づくる最良の位置に立つ可能性がある。

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