キャリア

2026.09.08 13:00

2035年までに86万人の「雇用が消失」する米国、AIの影響で縮小する仕事58職種

stock.adobe.com

AIの影響を強く受ける理由

興味深いのは、関連する職種内でもAIの影響の度合いにばらつきがあることがデータから読み取れる点だ。たとえば次のような違いがある。

advertisement

・簿記係の雇用は約8万5000人減少する一方、会計士や監査人の雇用は7万9000人分増加する
・コンピュータープログラマーの雇用は8000人分失われる一方で、ソフトウェア開発者の雇用は17万5000人分増える
・事務員の雇用は15万6000人減少するが、経営アナリストの雇用は10万9200人増加する

ある傾向が浮かび上がってくる。処理業務や定型的な反復作業、記録業務を中心とする職種が労働市場から徐々に淘汰されつつある。一方、ある程度の処理業務や定型的な事務作業を一部含むものの、判断やシステム思考、解釈などに戦略的な重点を置いた職種は同様にAIの影響を受けやすいにもかかわらず、全体として増加傾向にある。

たとえば、ソフトウェア開発者、経営アナリスト、人事担当者、研修・人材開発の専門家もAIの影響を受けるリスクがあるが、それでもBLSはこれらの職種で雇用増を見込んでいる。

advertisement

問うべきは「自分の仕事はAIの影響を受けるか」ではない

したがって、「自分の仕事はAIの影響を受けるか」というのは間違った問いだ。なぜなら、それ自体は自分の具体的な仕事が今後10年以内に消滅するかどうかを判断するための適切な尺度にはならないからだ。AIの影響を受けるからといって、必ずしもその仕事が必ず消滅するとは限らない。

代わりに評価すべきは次の点だ。

・自律型システムやAIエージェントは私の仕事を単独で完全に遂行できるか
・単に「できる」だけでなく、本当にそれらに任せる「べき」なのか

たとえば人材紹介のRobert Half(ロバート・ハーフ)は、事務職とカスタマーサービス職の求人需要は高いことを2026年のレポートで明らかにしている。それにもかかわらず、10年間の長期予測では減少が見込まれている。これには2つの説明が考えられる。

第一に、BLSが測定しているのは前年との比較ではなく、10年間にわたる変化であり、その間に起こり得る変化は考慮されないため、当面の状況を反映する業界レポートとは結果が異なる場合がある。

第二に、たとえAIがカスタマーサポートや事務職の業務を完全にこなせるとしても、AIの支援を受けつつ人間が担当すべき業務はある程度残る。つまり、AIにできるからといって、必ずしもAIに任せるべきというわけではない。たとえば、既存のB2B顧客との関係を構築・維持するカスタマーサクセスマネジャーや、より複雑な問い合わせに対応する上級カスタマーサポート担当者は、顧客の信頼を維持し、顧客離れのリスクを低減するために依然として必要とされる。

自分の仕事における「人間ならではの側面」を伸ばし、それをさらに強化することに力を入れれば、AIによるマイナスの影響を比較的受けにくくすることができる。

単に業務を遂行すること以上に、AIには決して真似できない形で、自分がその仕事をよりうまく遂行できるようにする本質的な資質について考えてみてほしい。人間関係の構築、信頼、システム思考、コミュニケーション、リーダーシップ、批判的思考、判断力といったスキルが挙げられる。

forbes.com 原文

翻訳=溝口慈子

タグ:

advertisement

ForbesBrandVoice

人気記事