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北米

2026.09.03 13:30

米財務省の対イラン新制裁は封鎖ではなく競売、値がつくのは「ドル決済の権利」

K I Photography - stock.adobe.com

米国が売り出した商品はドル決済を使う権利、買い手は各国の銀行

狙いが定められているのは、今もイラン絡みの資金に触れている銀行、保険会社、そして各国財務当局が抱えるコンプライアンス部門である。デービス・ポークの記録によれば、財務省、国務省、戦争省の担当チームが各国の相手方と会い、即時の行動と国ごとの期限を突きつけている。サリバン・アンド・クロムウェルの顧客向け文書によれば、ベッセントは今回の発表を「威嚇射撃」と表現し、その後には静かな外交が続くと説明した。この作戦の仕組みは、封鎖よりも競売に近い。売りに出されている品物は、ドル決済網へのアクセスを今後も使い続ける権利である。入札にあたるのは、各国や各銀行が目に見える形で示す順守の行動だ。公開の場で、期限に追われながら差し出される。

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最初に狙われたバンク・ミスル、規則案が及ぶのはUAE部門だけ

バンク・ミスルは、見本として競売台に載せられた最初の出品物である。線の引き方は外科手術のように精密だ。規則案が及ぶのは同行のUAE事業だけで、エジプト国内や他国での業務は対象から外れている。米国の安全保障上のパートナーであるエジプト、その国営銀行、さらにそのうち海外部門1つだけ。目立ちやすく、代わりも利く相手が選ばれた。この措置によってワシントンが金融システム全体で負う代償はゼロである。それでいてカイロにも、自分は小さすぎて最初に狙われることはないと考えていた中堅金融センターのすべてにも、メッセージは届く。

同行はすでに、今回の通知はあくまで規則案であり対象はUAE部門に限られると述べ、顧客への業務は続けていると表明した。エジプト中央銀行とUAE中央銀行も、UAE内の支店は通常どおり営業していると発表している。エジプト側が公開の場で見せたこの反応こそが、入札である。最終規則がまだ存在しない段階で、与えられた期間の内側で、答えを返している。規則案と同じ日、OFACはバンク・メッリのドバイ支店長を制裁指定した。制裁対象のイラン両替商のために資金洗浄を手伝ってきた香港のペーパーカンパニー、カメン・トレーディング・リミテッドも、同時に指定されている。誰を選び、誰を選ばなかったのか。この並べ方こそが要点である。

中国の銀行は後回し、9月24日に控える米中首脳会談が理由だ

中国の銀行も対象になりうるのかと記者に問われたベッセントは「米国の制裁が届かない者はいない」と答えた。だが同じ週に、中国への二次制裁をいつ発動するのかを示すことは拒み、なぜ自分が世界の金融システムを吹き飛ばしたいと思うのか、と問い返した。トランプ大統領と習近平国家主席の会談は、9月24日に予定されている。中国への制裁が先送りされている理由は、中国が代えのきかない買い手だからという説明よりも、この会談日程を見たほうが簡単に理解できる。今のところ制裁の順番は、最も置き換えやすい相手から回っている。

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