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2026.09.04 08:15

富裕層の移住先、UAEがシンガポール超えの1位に選ばれる理由

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グローバル化が進み、オンラインでの事業運営や国境を越えた資産管理が身近になる中、自国にとどまらず海外へ拠点を広げる動きに関心が集まっている。かつては税率の低さだけを求めて生活拠点を完全に移転させる動きも見られたが、近年はその様相に変化が生じている。

ドバイ移住の支援事業を手掛けるドバイ総合研究所ホールディングスが公開した「世界の富裕層・移住先トレンド白書 2026年版」によると、流動性のある投資可能資産100万米ドル以上を保有する富裕層の移住者数は、2025年の暫定14万2000人から、2026年には前年比約16%増となる16万5000人に達する見通しだ。

移住先選びの基準は昔と変わり、生活のすべてを単一の国へ移すのではなく、「暮らす国」「事業を行う国」「子どもを教育する国」「資産を管理する国」など、目的に応じて複数の国を使い分ける動きが広がっているという。富裕層向け支援を行うヘンリー・アンド・パートナーズの2026年1〜5月の取扱申請データでは、86国籍の申請者のうち28%以上がすでに国籍国以外に居住しており、追加で別の居住権や市民権を検討している実態が明らかになっている。

この複数拠点の有力候補として存在感を高めているのがUAE(アラブ首長国連邦)だ。同社の独自指標「富裕層の国際移動を支える構造的競争力(2026年)」において、UAEは85.3点を記録。シンガポールの79.5点、ポルトガルの72.5点、イタリアの72.3点、スイスの70.8点、ギリシャの70.5点を上回る評価を得ている(ただし点数が国の優劣を表すものではない)。2025年にはUAEへ9800人の純流入が予測された。UAEは長期居住制度や事業環境、航空アクセス、英語で生活しやすい環境などが整っており、居住・事業・資産管理をまとめて検討しやすい点が評価につながっているという。

一方で、他の主要国を検討する際には、目的と現行制度の確認が欠かせない。例えばシンガポールは事業・金融拠点として高い競争力を持つが、就労ビザ「Employment Pass(EP)」では給与基準に加え、人材構成などを点数化して審査する「COMPASS」のクリアが必要となる。またポルトガルの投資居住許可制度「ARI」でも不動産購入が対象外となるなど、制度変更への注視が不可欠とのこと。

単なる税率の低さだけでなく、事業や家族、資産防衛といった目的ごとに最適な環境を組み合わせる「複数拠点化」という視点。移住先によって制度やメリットは大きく異なるため、海外に憧れを抱いている人は、この資料を一読するといいだろう。

出典:ドバイ総合研究所ホールディングス「世界の富裕層・移住先トレンド白書 2026年版」より

文=飯島範久

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