三浦雄一郎は2023年9月、Zehitomoの代表取締役CEOに就任した。リフォームや習い事など町の専門業者と依頼者をAIでつなぐ、くらしのマッチングプラットフォーム「ゼヒトモ」の第2創業期を牽引。事業者延べ15万人・累計依頼数230万件規模へと事業を拡大させている。
DG Daiwa Venturesは、19年8月にZehitomoへ初出資して以来、計4回出資してきた。三浦のCEO就任後には資金ショートの危機を共に乗り越えるなど、二人三脚で伴走してきたパートナーだ。同社代表取締役の中島淳一が、投資した理由とは。
中島:そもそも投資を決めたのは、私自身の原体験が大きいんです。実家が自営業で、子供のころはイエローページで業者を探す時代でした。ネット時代になって、そうした中小事業者が検索エンジンの波に埋もれてしまう構造に危機感をもっていました。そんなとき、海外でこれを解消するモデルが出てきて日本でも必要だと思い、2019年にZehitomoに初出資しました。その後も20年、22年とリード投資を実施しました。
三浦さんとの面談で最も印象に残っているのが23年10月です。シリーズCの大型調達の難航によって順調に見えていた計画が一転し、我々投資家側も決して楽観できない局面でした。
三浦:それでも、中島さんが「ここが勝負どころですよ」と言って背中を押してくださったのを覚えています。
中島:後押しした理由は明確です。リフォーム領域での見積もり件数や職人の登録数など、現場の実績と事業の地力は確実に積み上がっていたからです。ベンチャー企業である以上、山あり谷ありは当然です。その谷の局面でこそ一緒に踏ん張らないといけない、と思っていました。そして何より、苦しい局面で逃げずにリストラを断行し、落ち着いて立て直しにコミットする三浦さんの経営者としての覚悟を見込めたからです。この人となら、ピンチを絶対に突破できると確信し、24年3月に4回目の出資をしました。
三浦:当時は資金調達計画に甘さがあり、正直キャッシュが尽きかけていました。中島さんにアジアの投資家を複数紹介いただき、総額11億円の資金調達につながったんです。実質リードのように動いていただいたおかげで、あの危機を乗り切れました。
中島:当時はファンド内の持ち株比率上限もあり、当社単体で出せる追加出資額にはどうしても限界がありました。「金だけでなく知恵とネットワークも」と、海外投資家をつないだんです。個人事業主が集客に困っているという課題は世界共通です。日本の現場で着実に成果が出ていると説明すれば、海外のVCにもすんなり腹落ちしてもらえる。このビジネスモデルの強みが、三浦さんという経営者を得たことで、より説得力をもつようになりました。



