赤ちゃん用を大人も食べた実態
さらには赤ちゃん用に備蓄していた非常食を「赤ちゃん以外の家族が食べたことがある」と答えた人は40.7%に上ったことがわかった。誰が食べたのかを見ると「体調不良だった家族」が55.7%と最も多く、「祖父母」の27.1%を上回った。

大人が赤ちゃん用非常食を食べた理由では「水や調理器具が使えなかったから」が44%で最多。「大人用の非常食が食べづらかったから」も38%に上った。赤ちゃん用の非常食は常温で保存ができ、そのまま食べることができる。その特性が結果的に赤ちゃんだけではなく、災害時の家族の食事にも役立つケースがあったと考えられる。
「家族みんなの防災食」として備蓄
こうした結果を踏まえ、「乳幼児用」ではなく「家族みんなの共通防災食」として、ポタージュ状のベビーフードのような食品を備えたいと思うか尋ねたところ、「思う」「やや思う」を合わせると約7割の人が、こうした食品を家族共通の防災食として備えることに前向きな回答をしている。

筆者は熊本で大規模地震を10年前とこの夏に経験したが、被災時は水が貴重になるうえ、調理もままならないことを痛感した。また、大きな災害による精神的なショックから食欲が落ち、普段なら問題なく食べられるものが喉を通らなくなることもある。実際、高齢の家族が食欲をなくし、スープ状のものしか口にできなくなった経験もあった。
非常食というと、長期保存できることや腹持ちのよさに目が向きがちだ。しかし、いざというときに「水や調理を必要とせず、食欲が落ちた状態でも口にしやすいか」という視点も重要だろう。赤ちゃん用非常食を家族共通の防災食として捉える今回の調査結果は、これからの備蓄を考えるひとつのヒントになりそうだ。


