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北米

2026.09.02 07:00

米国が深海底鉱物を「勝手開発」する動き サプライチェーン脱中国の一環、国際法無視

ザ・メタルズ・カンパニーが深海底からサンプル採取した鉱物団塊。2021年6月8日撮影(Carolyn Cole / Los Angeles Times via Getty Images)

クラリオン・クリッパートン断裂帯

これは、どこかの国の海岸線近くの話ではない。件の海底区域が位置するのは太平洋中央部の深海平原「クラリオン・クリッパートン断裂帯(CCZ)」だ。ハワイとメキシコの間に広がり、米国本土の半分ほどの広さがあるクラリオン・クリッパートン断裂帯は、1982年の国連海洋法条約(UNCLOS)のもとでは、どの国にも属さず、「人類の共同の財産」にあたる区域だ(編集注:米国は国連海洋法条約を批准しておらず、それに基づいて設立されたISAにも加盟していない)。

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これらの海底区域に鉱物が存在することや、それが国際水域にあることについて異論を唱える人はいない。ほかの国々が認めていないのは、そこでの採掘についてNOAAが米国の国内法に基づいて出す許可の正当性である。国際法上、クラリオン・クリッパートン断裂帯のような深海底の採掘を許可できるのはISAだけとされているからだ。

米当局が許可にあたって依拠する法律は「深海底硬質鉱物資源法(DSHMRA)」だ。1980年に制定された法律だが、事業の採算面の問題から数十年の間、実質的に休眠状態にあった。

45年あまり前にさかのぼるこの法律が、史上最も急ピッチで進められている深海底採掘計画の法的手段として持ち出された。その仕組みは、ある企業にほぼ完璧に適合するものだった。

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企業の利害と国家の利害が一致

TMCは太平洋島嶼国のナウル、トンガ、キリバスとスポンサーシップ契約を結び、クラリオン・クリッパートン断裂帯での探査権を10年ほどかけて築いた。2021年には米国で株式を上場。その後、海底の調査や団塊採取機に数億ドルを投じてきた。いずれISAが深海底の採掘に関するルールづくりを終えることを見込んだ投資だった。

同じ2021年、ナウルはISAに対して、2年以内に規則を完成させるよう要請した。しかしISAはこの期限内に規則を完成させることができず、その後もロイヤルティーや環境への影響をめぐる対立から規則は未完成のままとなっている。しびれを切らしたTMCは2025年、米国法人を設立し、ドナルド・トランプ米大統領による同年4月の大統領令で新たに開かれた米国ルートを利用する方向に舵を切った。こうして、一企業の動きが争い全体のテストケースになった。

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翻訳・編集=江戸伸禎

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