2007年、ハベル・リアルティ(Hubbell Realty)はフロリダ市場に参入した。
住宅建設会社の全国ネットワークであるNAHBビルダー20グループを通じて、私はある建設会社と組み、ベロビーチの宅地を購入した。そこへ2008年が訪れ、数々の悪材料が一気に重なった。
景気後退で市場は崩壊し、欠陥のある中国製ドライウォールが損害をさらに拡大させ、提携先は廃業した。価値の下がった宅地を抱えた私たちは、少しでも取り戻すためにフロリダで自社の住宅建設事業を立ち上げ、その開発を利益ゼロで完了させた。それでも、やり遂げたのである。
その事業は痛手だったが、私たちの物語の終わりには程遠かった。事業の失敗から学ぶことは、これまでのどんな成功にも劣らず、ハベルを形づくってきた。
リスクにのみ込まれず、リスクを評価する
大胆な一手を阻む最大の要因は、「リスクへの恐れ」という3語に集約される。私は自分を生来のリスクテイカーだと思ったことはない。それでも私たちが取るリスクに安心して向き合えるのは、それが無謀ではなく、計算されたものだからである。
フロリダに進出する前、私たちは市場を調査し、下振れリスクを見積もり、会社を脅かすことなく損失を吸収できると確認した。これこそが、計算されたリスクの意味である。判断を誤っても、なお立っていられる。
何もしないことにもリスクはある。数年前、人口動態データは55歳以上向け賃貸市場の成長を明確に示していた。私のチームはその機会を見いだせず、見送った。その結果、競合が参入してプロジェクトを建設し、満室にした。自分たちが先に見つけていた機会を他社がつかむのを見ることも、失敗の一種である。そして私たちは、立ち止まることも、動くことと同じくらい高くつく場合があると学んだ。
小さな実験で学びを速める
フロリダでの経験よりずっと前、私たちはダウンタウンの商業施設「カレイドスコープ・アット・ザ・ハブ」で、より低コストの一連の実験を行った。そこには10年近く空いたままの区画があった。
私たちは大学スポーツ用品店を開き、小さな利益を出した。続いてフランチャイズの玩具店を開業し、その物件は初めて満室になった。主要テナントが退去すると、私たちはその玩具店を郊外のストリップモールに移転したが、そこではトイザらスに太刀打ちできなかった。
最終的に、私たちはその店を閉じた。授業料は控えめで、教訓は長く残った。ダウンタウンの小売を成り立たせていたスカイウォークの歩行者動線は、郊外には移転できなかったのである。
ハーバード大学のエイミー・エドモンドソンは、こうした失敗を「知的な失敗」と呼ぶ。自分たちの知識の境界で行う小さく速い実験であり、彼女の研究によれば、それは組織が得られる最も価値ある情報を生み出す。
重要なのは、実験を小さく保ち、そこから得る教訓のコストを抑えることだ。
失敗を組織の知に変える
挫折は、そこから学んで初めて元が取れる。
ハベルでミスが起きたとき、私はそれに正面から向き合った。インターセプトの後にコーチがタイムアウトを取るように、何が間違っていたのかを明らかにし、修正し、再びフィールドに戻るのである。私は過ちをくどくど責めることはしなかったが、放置することもしなかった。基準は単純だ。同じミスを二度繰り返さないことである。
そのためには、そもそも人々に失敗する余地を与える必要がある。私がすべての手順を指示していたら、誰も自力で課題に対処する判断力を身につけられない。ジョイス・E・A・ラッセルが書いているように、リーダーが挫折にどう対応するかはその人格を映し出す。そして優れたリーダーは、自らの失敗を否定するのではなく引き受ける。
レジリエンスは競争優位になる
欠陥のあったフロリダでの実験の年に話を戻すと、この試練は、当社の歴史上最大の戦略転換を促した。オフィス、小売、フレックスオフィス物件を売却し、集合住宅と産業用不動産に集中するという決断である。
その結果、私たちはデモインとスーフォールズで約1,700戸のアパートを購入した。この動きはインディゴ・リビング(Indigo Living)という会社へと発展し、現在では3州で9,000戸超の集合住宅を管理している。事業のレジリエンスは反復によって築かれる。挫折を乗り越える経験は、競合よりも速く資本と注意を振り向け直す力を私たちに教えてくれた。
あなたへの課題は、今月、過去の失敗を1つ振り返ることだ。関係者を集め、責任追及をせずに何が起きたのかをたどり、実行可能な教訓を3つ引き出す。そして、次のプロジェクトチームが見つけられる場所に書き残す。損失はすでに起きた。今度は、その挫折をバックミラーの中に置き去りにし、あなた自身とチームを成功へ向かわせる番である。



