かつて私は、絶えず言い争いをしているチームに所属していた。メンバーは互いに悪口を言い合い、罵倒し、ドアを乱暴に閉めたり、壁を殴ったりすることさえあった。研究者はこれを「破壊的対立」と呼ぶ。言うまでもなく、私はその組織に長く留まることはなかった。
その後、私は完全に逆の方向へと舵を切り、はるかに配慮が行き届き、安定した新しい職場を見つけた。しかし、そのチームは対立をほとんど表に出さなかった。彼らは対立を避けていたのだ。締め切りは無視され、仕事の質は基準以下であり、まるで「ケアベア」の国に住んでいるかのようだった。
どちらの職場文化も健全ではなかった。対立におけるこれら両極端な状態では、生産性、イノベーション、そして品質を最大化することは困難である。米国人材マネジメント協会(SHRM)の調査によると、従業員の76%が定期的に対立を経験しており、それによる生産性の低下や欠勤は、企業に1日あたり推計20億ドル(約3190億円)の損失をもたらしているという。
振り子が一方の極からもう一方の極へと大きく揺れるように、ハイパフォーマンスは、破壊的な対立が「生成的対立」に置き換わる中間的な領域で見出されることが多い。
破壊的対立を乗り越える
破壊的対立はゼロサムゲームとして機能する。その目的は誰が正しいかを証明することであり、往々にして相手の人格やアイデンティティへの攻撃を伴う。それは自己防衛や回避、あるいは敵意のエスカレートに依存している。その対極にあるのが「対立の回避」であり、対立が表面化することはほとんどなく、仮に表面化してもすぐに退けられるか、即座に話題が変えられてしまう。
生成的対立は、これら両極端の中間に位置する。この種の対立は、好奇心と共通の目的を起点として機能する。その目的は、お互いへの敬意を損なうことなく、複雑な問題を多角的な視点から検討し、「どのように」「なぜ」を探求することである。
ボブ・ベストとウェンディ・ホブソン=ローラーは、職場文化における対立を本質的に否定的なものとは捉えていない。重要なのは、信頼を蝕み、離職率を高め、関係性を損なう破壊的対立を消し去ることである。そして、エゴを脇に置くことで、イノベーションを推進し、多様な視点を促し、問題解決力を高める生成的対立へと移行する方法を見出すことだ。
彼らの研究は、リーダーが可能な限り早い段階で予防的に対立に対処することを推奨している。対立が表面化したら、リーダーは自らの感情的な反応をコントロールし、率直かつ思いやりのある好奇心を持って会話に臨み、回避や自然解決に頼るのではなく、摩擦のごく初期の段階で対処するという意図的な行動をとらなければならない。
リーダーに必要な対立解決のサポート
また、リーダーだけで対立を管理すべきではない。職場における有害な摩擦に対処するために、リーダーを支える組織的なサポート体制が必要である。組織は、偏りのないコーチや調停者、リーダーシップ研修などの社内外のリソースを活用し、バランスを取り戻して健全な文化を促進すべきだ。
私は10年以上にわたり、予防的な対立管理に関する研修をファシリテートしてきた。そして、リーダーが対立を管理するための「共通言語」やツールを持つことのメリットを目の当たりにしてきた。私がお気に入りのフレームワークは、対立管理における「3つのD」モデル、すなわち「Define(定義する)」「Discuss(議論する)」「Decide(決定する)」である。基本的には、リーダーが自らの弱みを見せ、誠実な切り出し方で会話を始める。導入の言葉としては、例えば以下のようなものが挙げられる。
- 「少し力を貸してほしいことがあります」
- 「あなたに相談したいアイデアがあります」
- 「私たちの関係を大切に思っているからこそ、話したいことがあります」
会話の範囲、つまり「何を話し合い、何は議論の対象外とするか」を定義(Define)し、話が脱線するのを防ぐためにそれを厳守する。会話の焦点が明確になったら、双方が議論(Discuss)する必要がある。これは一方的な非難であってはならず、双方向の対話でなければならない。どちらか一方が心の準備ができていなかったり、高ぶる感情をコントロールする必要があったりする場合は、一度中断しても構わない。好奇心を持ち続け、「どうしてそう思うのですか」や「どのようにしてこの状況に至ったのでしょうか」といった、本当に答えの分からない質問を投げかけるとよい。
最後の段階は決定(Decide)である。これが極めて重要となる。率直な会話を交わし、精神的なエネルギーを費やした後は、つい「早く終わらせたい」と思いがちだ。しかし、それでは同じ会話を繰り返すことになりかねない。映画『グラウンドホッグ・デー』のように同じことの繰り返しを避けたいのであれば、「今日、私たちは何をすることに決めましたか」や「これについて、これから一緒に取り組むべき約束事は何でしょうか」といった言葉で議論を締めくくることをお勧めする。
対立をゲーム化する
すぐに使えるアクティビティやゲーム、シミュレーションを用意しておくことも、リーダーがリスクの低い安全な環境で生成的対立を生み出すのに役立つ。
対立は楽しいものにもなり得る。避けられない対立に対して、予防的にチームを準備させるために、以下のアイデアを検討してほしい。
トレードオフ・マトリックス:リソース配分シミュレーション
- 仕組み:参加者を、異なる部門長(例:研究開発、マーケティング、オペレーション、カスタマーサクセスなど)を代表する小グループに分ける。グループに固定の予算と、競合する5つの社内イニシアチブのリストを提示する。ただし、1つのイニシアチブに完全に資金を提供すると、別のイニシアチブへの資金配分がなくなる。各役割には、対立する目標を生み出す隠された優先目標が与えられている。
- なぜ生成的対立を促進するのか:シミュレーションによって必然的な摩擦が生じるため、参加者は、現実の社内政治や個人的な利害関係に邪魔されることなく、優先順位を議論し、トレードオフを明確にし、共通の解決策を交渉せざるを得なくなる。
レッドチーム・プロトコル:前提条件と失敗の分析
- 仕組み:プロジェクトや戦略を立ち上げる前に、構造化された「プレモータム(事前検死)」を実施する。グループを2つのチームに分ける。最初のチームは提案された計画を提示し、2番目のチームは「善意の敵対者」として、計画が失敗に終わる可能性のあるすべての欠陥、リスク、弱点を見つけ出す役割のみを担う。
- なぜ生成的対立を促進するのか:役割を演じることで、異論を唱えたり、リーダーシップに疑問を呈したりすることに対する社会的なタブーが取り除かれる。批判は、個人攻撃ではなく、ルールによって明示的に求められる有益なゲームの仕組みとなる。
デビルズ・アドボケイト・スワップ:視点の反転
- 仕組み:チームが職場の論争の的となる問題や戦略の方向性について行き詰まったとき、各参加者に自身の実際の立場とは「逆」の主張をするよう割り当てる。相手の視点に立って最も説得力のある論拠を構築するための時間を10分間与え、それをグループに発表させる。
- なぜ生成的対立を促進するのか:参加者は自らのエゴを脇に置き、思いやりのある好奇心を発揮せざるを得なくなる。反対の立場から議論することを強制されることで、認知バイアスが打破され、共感が生まれ、ニュアンスのある妥協策が浮かび上がってくる。
ハイパフォーマンスなチームは対立を避けない。彼らは対立を活用して集団浅慮を排除し、イノベーションを推進し、真の心理的安全性を構築する。
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