COOが果たす最も重要な役割は、従業員が活躍できる環境を整えることだ。ここ数十年の間、その任務には自動化がますます不可欠となっており、長年行われてきた慣行を代替または強化することで、従業員がより迅速に業務を遂行できるよう支援してきた。
しかし、テクノロジーがかつてないスピードで進化している今、COOもそれに合わせて戦略を進化させなければならない。この変化は予算にも現れている。マッキンゼーの報告によると、製造業のCOOの3分の1が、過去5年間に自社がAIやデジタル技術に投資した額は売上原価の1%未満であると回答した一方で、93%が今後5年間で予算を増やす計画だという。さらにその3分の1は、その割合を支出の少なくとも5%にまで引き上げることを計画している。
自動化を導入するための選択肢がこれほど多く存在する中、COOはビジネスのどの領域が投資から最も恩恵を受けるかだけでなく、プロジェクトが始まった後にどのようにチェンジマネジメント(変革管理)を進めるかも理解しておく必要がある。COOは新たな自動化プロジェクトを計画する際、人間の労働者とロボットの双方が活躍できる投資となるよう、3つの重要な領域を考慮すべきだ。
1. 自動化すべき適切なデジタルプロセスの選定
自動化は効率を最大化するための重要な戦略となっているため、あらゆる業界の経営幹部は、その活用範囲を広げるよう強いプレッシャーにさらされている。バックオフィスのユーザーにとって、このテクノロジーは、事実に基づいたデータ主導の反復タスクに最も適している。これらは重要だが、非常に時間がかかる作業だ。
2000年代から2010年代にかけて、こうしたタスクにはロボティック・プロセス・オートメーション(RPA)が好んで採用された。例えば、出荷・受入チームは、RPAアプリケーションを使用して日報業務を簡素化できた。これにより、スプレッドシートを調べたりピボットテーブルを実行したりするのに費やされていた時間を節約できたのだ。
しかし現在、テクノロジーは基本的なRPAを超えて進化し、これらのタスクを完了するだけでなく、強化できるAI搭載アプリが登場している。Kencoでは、独自のAIツールを使用して、動きの速い商品をよりアクセスしやすい場所に保管できるように在庫の整理方法を推奨するプログラムを作成した。施設の管理者は、定期的にデータを分析してどの製品をどこに配置すべきかを推測する代わりに、データに基づいたインサイトを利用してすぐに実行に移すことができる。
要するに、AIのイノベーションにより、COOはもはや自社のオペレーションの複雑さに対するデジタルな解決策を待つ必要はない。あらゆる種類のプログラムが手の届くところにある。だからこそCOOは、どの課題が効率性に最も大きな影響を与えるかを特定し、雑音を排除して、その課題のために構築されたアプリに集中すべきである。
2. 人間とAIの物理的な協調を設計する
当社のツールのような存在は、物流マネージャーが効率目標を達成する手段を変えつつあるが、チームが自動化技術と手を取り合って働く現場環境はどうだろうか。倉庫や配送センターでは、AIで強化されたロボットによって商品の移動速度が向上する一方で、労働者が物理的なスペースを移動する方法は大きく変化する。
物理的な自動化戦略を検討する際、COOはラインバランスを追求し、流れを阻害する要因の解決を優先すべきだ。例えば、倉庫内でのロボットとピッカー(ピッキング作業員)の比率が不均衡であると、ロボットがピッカーを待ってアイドル状態になったり、その逆が起きたりして、時間を無駄にする可能性がある。物理的な自動化プロジェクトでは、施設におけるロボットの最適な数を決定し、そのテクノロジーを中心にワークステーションを再配置することに焦点を当て、管理者が効率を最大化し、ダウンタイムを最小限に抑えられるように支援できる。
自動化プロジェクトを立ち上げる際、COOはアップグレードしたい各プロセスの細部を調査することに時間を費やすべきだ。これには、新しいテクノロジーが従業員の実際の悩みを確実に軽減できるように微調整するための、従業員との1対1の対話も含まれる。また、従業員が新しい物理的な自動化ツールに適応していく中で、現場を歩き回ってフィードバックを得るなど、継続的な対話を促すべきである。
3. 導入全体を通じてチェンジマネジメントを導く
自動化には当然、懐疑的な見方が伴う。従業員は、他の労働者が自動化によって仕事を失ったという話を耳にしている。彼らは、予測可能で肯定的な結果が得られるため、これまで通りのプロセスに従うことに居心地の良さを感じている。すぐには見えないかもしれない成果のために、安定感を捨てるよう求めるのは、無理な注文だ。
この問題に対する解決策は容易ではない。よりスムーズな移行には企業文化が鍵となり、スタッフが変化に対してオープンになるレベルまで文化を高めることは長期的なプロジェクトである。チームメンバーがリーダーシップと戦略計画を信頼していれば、学習曲線の過程にあってもコミットし続ける可能性が高くなる。自社にそのような文化があるか確信が持てないCOOは、まず透明性を高めることから始めるべきだ。半年後、1年後のオペレーションはどうなっているか。何を達成したいと考えており、仕事にはどのような影響があるのか。経営陣がこの情報を開示しない期間が長引くほど、不信感が根づく可能性がある。
また、COOが自動化プロジェクトを社内にアピールする際には、実践的なアプローチも役立つ。AI主導のプロセスによってすでに効率が向上し、物理的な自動化ツールによってラインバランスが実現している施設への見学は、成功した自動化プロジェクトがどのようなものかという期待感を持たせるのに役立つ。
最終的に、自動化のチェンジマネジメントにおいてCOOは、従業員が古いプロセスに戻ることを可能にするツールを徐々に排除していく(退路を断つ)方法を見つけると同時に、従業員が新しいテクノロジーに適応する際、適切に代替手段を準備することが求められる。自社の文化がこのようなアプローチに対応できるように構築されていない場合、COOは本番稼働時にスムーズな移行ができるよう、今から基礎固めを始めるべきだ。
正しい判断を下す
COOは、デジタルであれ物理的であれ、自動化プロジェクトを立ち上げる際に大きな複雑さに直面する。このプロセスには、組織全体のステークホルダーからの忍耐、合意、そして努力が必要だ。うまく実行されれば、仕事の進め方を根本から変革することができる。しかし、実行が不十分であれば、オペレーションを複雑にし、資本を浪費することになりかねない。
自動化プロジェクトを立ち上げる際、COOは移行を導くための強固なプレイブックを用意しておく必要がある。何を自動化したいのか、自動化によって何を達成したいのか。人間と機械が共に働くという微妙な関係(ニュアンス)に対して、どのような計画を立てるか。そして、チームをどのように学習曲線に導くか。
これらの問いに対する答えを用意しておくことで、その道のりは成功へと向かうだろう。



