米国時間8月31日の金価格は、数カ月ぶりの大幅な値下がりを記録した28日に続いてさらに下落した。アナリストらは、米連邦準備制度理事会(FRB)に対してインフレ抑制を求めたケビン・ウォーシュ議長の発言に加え、イランとの緊張が再び高まったことが要因だと指摘している。
東部夏時間31日午前10時過ぎの時点で、金先物価格は約1%安の約4475ドルで推移している。同日早朝には一時4445.60ドルの安値を付ける場面もあった。
金価格は28日にも3%以上値下がりした。ロイター通信によると、これは1日の下落幅としては過去11週間で最大であり、8月を通じて続いていた金価格の上昇機運に冷や水を浴びせる結果となった。
ウォーシュ議長がインフレを警戒、金相場に下押し圧力が続く
アナリストらによると、28日に開かれたジャクソンホール会議でのウォーシュの発言が金価格の押し下げ要因となった。ウォーシュはインフレに対する懸念を表明し、物価上昇率が目標の2%に落ち着く見通しが立たなければ「(FRBには)成すべき仕事がある」と述べていた。
サクソバンクのコモディティ戦略責任者であるオーレ・S・ハンセンは31日、このウォーシュの「タカ派的」な発言を受けて金が「大幅に」下落したと指摘した。この発言によってFRBが早期の利上げに踏み切るとの観測が高まり、貴金属価格の下落を招いたという。
米イラン間で攻撃が再燃、年内利上げ観測が強まる
アクティブトレーズのシニアアナリスト、リカルド・エヴァンジェリスタもロイター通信の取材に対し、ウォーシュの発言が金価格下落の一因であるとしつつ、「米国とイランの緊張再燃がインフレ懸念に拍車をかけ、年内の利上げ観測を強めている」と付け加えた。
30日、米国とイランは数週間ぶりに攻撃の応酬を行い、これが原油価格の高騰を招いた。イラン紛争が始まって以来、原油価格はおおむね金属価格とは逆の動きを見せている。
銀も小幅安、ウォーシュ発言を受け下落
先週後半に下落した銀の価格も31日は小幅な値下がりとなった。東部夏時間31日午前10時過ぎの時点で、銀先物価格は1オンスあたり約66ドルと約1%下落した。銀の価格は28日にもウォーシュの発言を受けて下落しており、高値の約71ドルから値を下げていた。



