代理店なしで出稿できる仕組みは、Facebookが通った道
同じ8月31日に打ち出した地域拡大は、広告主にとっては年換算10億ドル到達よりも重い知らせだと言っていい。米国ではすでに動いているセルフサーブ型の出稿ツール「Ads Manager」が、インド、欧州、中東、北アフリカの広告主にも開かれた。ChatGPT Adsそのものは、全体で40カ国以上に提供されている。
広告主が代理店を介さずに自分で出稿できる仕組みは、中小企業へ食い込むための古典的なくさびである。Facebookを、ブランド広告の実験場から、クリックや購入といった成果を積み上げる機械へと変えたのも、まったく同じ仕掛けだった。OpenAIによれば、このくさびはすでに効いている。中小企業が広告事業の中で「相当な割合」を占めるまでになったという。
インドでは、大手代理店と小規模事業者を同時に取り込む
週間アクティブユーザー数でChatGPT最大級の市場であるインドは、大きな代理店グループと小さな事業者を同時に取り込むやり方を、そのまま映している。OpenAIは先週、50のブランドとともにインドで広告を始め、広告代理店グループのWPPおよびOmnicomと提携した。インドの広告主向けAds Managerは9月4日に開き、1日あたりの最低予算は725ルピー、約7.60ドル(約1216円)に設定されている。上には世界的な代理店グループ、下には1日10ドル(約1600円)を切る出稿の入り口が置かれている。
広告が出るのは無料版と低価格版、対象は10億人規模
広告主に差し出されている利用者の数は、途方もなく大きい。広告が表示されるのは、ChatGPTの無料プランと、低価格の「Go」プランを使う利用者である。無料プランとGoプランを合わせると、ChatGPT全体で約10億人にのぼる週間アクティブユーザーの圧倒的多数を占める。
OpenAIは、広告には広告だと分かる表示を必ず付けており、ChatGPTの回答内容を左右することはなく、広告主が利用者の私的な会話に触れることもないと説明している。次の段階では、対象市場を増やしたうえで、広告の表示形式、キャンペーンの目的設定、購入方法、効果測定の機能を追加するとしている。


