世界保健機関(WHO)のテドロス事務局長は8月12日、アフリカのコンゴ民主共和国(旧ザイール、以下コンゴ)東部で広がるエボラ出血熱について、同国で過去最大の流行となり、世界的にも最大規模となる恐れがあるとの見通しを示した。1976年に初めて確認されて以来、同国で17回目のエボラ出血熱の流行だ。テドロス氏は「現在のペースでは、2014年から2016年の(1万1千人が死亡した)西アフリカ・エボラ出血熱の流行を上回る見通しだ」と語った。WHOによれば、8月12日時点で確認された感染者は4665人、死者は2184人に達した。
一方、コンゴ東部と国境を接し、20件の感染が確認されていたウガンダは7月28日、最後の国内感染例の患者が6月16日に退院した後、新規感染が確認されなかったとして、エボラの終息宣言を出した。WHOも8月27日、ウガンダでのエボラ終息を発表した。ウガンダの首都カンパラに住む知人によれば、新型コロナウイルスの感染拡大当時に比べ、カンパラは非常に落ち着いた雰囲気だったという。人流も普段と変わりなく、マスク姿の人が急増することもなかった。
これは、新型コロナとエボラの感染パターンが異なることに原因があるという。知人は「エボラは感染者の血液や体液に触れるなど、濃厚接触で感染する。新型コロナのような呼吸器感染症とは異なり、空気感染はしないとされる」と語る。新型コロナが潜伏期間中にも他人に感染させるのに対し、エボラは発症前には通常、感染力を持たないという。エボラの発症当初、下痢や発熱を風邪と区別できずに感染者を出すことはあるが、それも政府による警戒と平静を呼びかける声明により、かなり対処できたそうだ。
日本も、コンゴやウガンダへの滞在歴がある人に対して、入国時に検疫官へ申告するよう要請。感染のおそれがあると判断された場合は、最大21日間の健康監視を行っている。カンパラでは「外国報道は大げさすぎる」という不満の声も出たという。



