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経営・戦略

2026.09.02 15:15

キルフェボン、ホリイフードを再成長へ 8戦8勝の経営者・高鍬仁一が語る「買って終わらないM&A」

CCH 代表取締役社長 高鍬仁一氏

「1カ月は遅い」高鍬氏が求める速度

あるサービス開発の相談で、高鍬氏が内容を伝えてから、次の提案が出てくるまでに1ヶ月かかったことがあった。
しかし、高鍬氏は、その前後を含めた意思決定の速度に疑問を持った。
今の時代、AIやノーコードツールを活用すれば、以前は数カ月かかった試作品を数日で形にできる。
だからこそ、経営者や組織の価値は、知識量だけではなく、実行へ移す速さに表れる。

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完璧な計画を待たない。
まず小さく試す。
顧客の反応を見る。
数字が良ければ進める。
悪ければ撤退する。

CCHでは、多くの新規事業をテスト段階で判断する。
正確な答えが出るまで止まるのではなく、実行しながら正解に近づく。
この速度が、買収後の企業を成長させるうえでも重要になる。

AIは営業を代替するのではなく、強くする

高鍬氏は、AIによって営業の多くが効率化されると考えている。

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見込み顧客のリスト作成。
顧客属性の分析。
商談記録の文字起こし。
商談内容の評価。
改善点の抽出。

こうした業務は、AIによって高速化できる。
CCHでは、営業担当者の商談を録音し、文字に起こし、商談のどこで顧客が離脱したのかを分析してきた。
商談から成約までの間には、多数の評価項目がある。
単に「契約できた」「できなかった」ではない。
課題を聞けたか。
意思決定者を確認できたか。
価格への懸念を解消できたか。
次の行動を合意できたか。

細かい項目を追うことで、営業担当者がどこでつまずいたのかが分かる。
現在は、その判定自体をAIに移行しようとしている。
オンライン商談だけでなく、対面商談もデータ化し、CCHの基準で評価する。
AIの評価精度はまだ完成形ではないものの、人が行ってきた営業管理に近づきつつあるという。

それでも、高鍬氏は、営業の「ラストワンマイル」は人から完全には置き換わらないと考えている。
顧客が人である限り、最後の契約や入金を動かす局面では、信頼、感情、間合い、覚悟が必要になる。
AIによって人を減らすのではない。
AIにできることを任せ、人は、人にしかできない最後の価値提供へ集中する。
それがCCHの営業DXである。

売り手にも「覚悟」を求める

CCHは成果報酬で営業を引き受けるが、すべての会社と組むわけではない。
相手企業が、商品を変える覚悟を持っているかを見る。
顧客の反応を受け、料金を変えられるか。
ランディングページを修正できるか。
対象となる顧客層を変えられるか。
営業現場から出た課題に、経営陣が迅速に対応できるか。

「商品は変えないので、営業だけお願いします」という会社とは組みにくい。
なぜなら、良い商品をつくれば自然に売れる時代ではないからだ。
顧客のニーズに合わせ、商品、価格、見せ方、営業方法を一つの線で設計する必要がある。
CCHは、顧客分析や商品設計、経営方針の議論にまで入る。
通常であれば、コンサルティング会社が別料金で行う領域かもしれない。
しかしCCHは、その段階では料金を取らない。
最終的に商品を売るために必要だから行う。
その代わり、成果が出た際には、相応の報酬を求める。
売れなければCCHが損失を負う。
だからこそ、CCH側も、相手企業側も本気になる。

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取材:戸村光 執筆協力:榎本遥奈

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