米ウォルト・ディズニーのCEOに就任してわずか数週間後、ジョシュ・ダマロは、決然とした、そして物議を醸す最初の行動を起こした。同社は、全社的なブランド構築の取り組みを、最近、最高マーケティング&ブランド責任者(CMO/CBO)に昇格したアサド・アヤズのもとに統合するにあたり、マーケティング部門を中心に1000人の従業員をレイオフ(一時解雇)すると発表した。
「私たちは、映画、テレビ、ストリーミング、パーク、エクスペリエンス、スポーツというビジネスの相乗効果(フライホイール)全体で、今日の消費者が当社を体験する方法に合わせ、統合された一つのストーリーテリングブランドとして現れることになる」と、彼は「Mickey Blog」に記した。
944億ドル(約15兆1000億円)の規模を持つ同社にとって、統合されたブランドストーリーテリングは極めて重要な優先事項である。なぜなら、同社の利益のエンジンである「エクスペリエンス(体験)」部門が、より大きな「エンターテインメント」のストーリーテリング部門に依存しているからだ。
エクスペリエンス部門は、2025年度の総売上高の40%に満たない362億ドル(約5兆7800億円)の売上高で、過去最高となる100億ドル(約1兆6000億円)の純利益を記録し、同社の純営業利益全体の176億ドル(約2兆8100億円)のうち約60%をもたらした。
これに対し、エンターテインメント部門は425億ドル(約6兆7900億円)の売上高をあげたものの、純利益は47億ドル(約7500億円)にとどまった。もう一つの報告セグメントである「スポーツ」部門は、売上高177億ドル(約2兆8300億円)、利益29億ドル(約4630億円)と、比較するとまだ小規模である。ディズニーは、米国版Forbesによるコメント要請に応じなかった。
残念ながら、世界のレピュテーション(企業の評判・名声)とブランド価値の測定結果を見る限り、ディズニーのストーリーテリングは筋書きから外れてしまっている。レピュテーションデータを提供するRepTrakによると、2020年のディズニーはデンマークのLEGOに次ぐ「世界で最も称賛されるグローバルブランド」の第2位だった。
しかし2026年、ディズニーはRepTrakの「グローバルブランド・トップ100」ランキングから姿を消した。また、Brand Financeは、2025年のディズニーのブランド価値を448億ドル(約7兆1600億円)と評価したが、これは過去最高だった2020年の561億ドル(約8兆9600億円)から20%減少している。これに対し、首位のAppleは同じ5年間でブランド価値を4倍の5745億ドル(約91兆8000億円)にまで高めた。



