暑い日は冷たいものしか喉を通らない、なんて言う人が多いが、近ごろでは冷たいものより辛いものを選ぶ人が増えているようだ。猛暑日が続き、日本人の嗜好はインド人に近づいてしまったのか? いや冗談はともかく、暑い日には辛いものを選ぶ人が確実に増加している傾向が、調査によって判明した。
デジタルマーケティング支援事業などを展開するトライベックの調査・分析機関「トライベック・ブランド戦略研究所」は、東京都在住の20〜69歳の男女320人を対象に、夏に食べたくなる辛いメニューやその理由などについて調査を行った。それによると、夏になると辛いメニューが食べたくなる人の割合が、全体で54.1パーセントにのぼることがわかった。過半数の人が辛いものを選んでいる。

辛いものは食べたくないという残りの人たちの中には、素麺や冷やし中華といった冷たいものを好む人が含まれるはずだ。次に紹介する「辛いものを食べたいときに思い浮かぶメニュー」には、「冷たくて辛いもの」は含まれていないので、辛い派が冷たい派を上回ったと判断していいだろう。

人気のメニューは、やっぱりカレーがダントツ。それに、麻婆豆腐、担々麺、今話題の麻辣湯、火鍋、激辛ラーメン、チゲ・スンドゥブと中華韓国系が続く。メニュー名を列挙しているだけで汗が出てくる。辛い派が過半数を占めたことも意外なら、もうひとつ、男女別で見ると、麻婆豆腐と激辛ラーメンを除いた残りのすべては女性の割合のほうが高いのも意外な結果だ。
辛いものを食べたくなる理由でもっとも多かったのは、「汗をかいて気分をすっきりさせたい」というもの。これは男性のほうが多かったが、2位の「食欲が落ちる時期でも食べやすい」、3位の「刺激があって気分転換になる」は女性が多かった。さらに、疲労回復、ストレス発散と答えたのも女性が多い。

辛いもの好きの女性が増えているのか、男性が刺激物に弱くなってしまったのか、そこは判然としない。この調査でハッキリしたのは、家庭でカレーを作るとき、パパは辛さ増量、子どもとママは甘口か中辛というイメージが古びた昭和の先入観だということだ。あまりジェンダーにこだわるのもどうかと思うが、少なくともこの調査結果は、女性のほうが、多様な辛いメニューを楽しみつつ、心身を整えるのが上手であることを示している。
ところで、暑い日に辛いものを食べるのは、薬膳の考えでは、汗をかいて湿邪(体内の余分な水分)を排出する効果があるらしい。また香辛料の影響で食欲も増す。夏バテで食欲が落ちているときに、辛いもので気分も体もスッキリさせるのは理に適った考えだと言える。男性のみなさんは、暑い日に女性を食事に誘うとき、珍しい辛い料理を選択すれば好感度アップとなるかもしれない。
出典:トライベック・ブランド戦略研究所 ブランド戦略研究所発「トレンドClip」 カレー人気は不動、麻辣湯は30代女性から強い支持 ― 第109回:夏に食べたくなる辛いメニューについて ―



