暑い時期は水分補給が大切。というわけで、ペットボトル飲料を持ち歩く人も多いだろう。しかし、ペットボトルに直接口を付けて飲んだ場合、ボトル内に口内菌が入り込み、飲み物の種類によっては菌が爆発的に増殖することがある。飲みかけのペットボトルの持ち歩きには、十分に注意が必要だ。
繊維製品を中心とした試験および検査を行う厚生労働省登録試験検査機関である一般財団法人ニッセンケン品質評価センターは、カフェオレ、スポーツドリンク、麦茶、緑茶の4種類のペットボトル飲料の、生菌の増殖について試験を行った。ちなみに生菌とは、検査の時点、または摂取する時点で生きている菌のことを言う。乳酸菌など体によいものもあれば、食中毒菌も含まれる。

試験では、それぞれの飲み物をボトルに直接口を付けて飲み、その後、半分程度になるまで数回に分けて飲みながら、冷蔵庫を想定した摂氏4度、涼しい室内を想定した摂氏20度、さらに暑い時期に持ち歩くことを想定した摂氏35度という温度条件でそれぞれ24時間放置し、1ミリリットルあたりの生菌の塊(コロニー)の数を測定した。

するとカフェオレは、放置前が530CFU/mlだったものが、摂氏35度で24時間放置すると菌が急増し、880万CFU/mlとなった。じつに約1万6600倍だ。カフェオレは糖度が高く、乳製品も含まれているため微生物が繁殖しやすいのだ。
スポーツドリンクは、最初から生菌がほとんど含まれていなかった。それはスポーツドリンクが基本的に酸性であるため、菌が生存しにくいからだと考えられる。
麦茶は甘くないし安全だと思ってしまうが、じつは摂氏35度で放置した後、410万CFU/mlにまで増殖するという意外な結果が出た。原料の大麦に含まれる炭水化物が菌の栄養源になるためだ。
そして緑茶は、放置前には132CFU/mlあったものが、摂氏35度で放置した後は46CFU/mlに減少していた。緑茶に含まれるカテキンには抗菌作用があるため、菌が減った可能性が考えられる。

飲む前の口中の菌の状態によっても変わるが、糖分や栄養分を含む飲み物では生菌が増えやすいことがわかる。自分の口の中にいた菌だからと言って、安全とは限らない。口の中には腸内と同じく、善玉菌、悪玉菌、日和見菌がいる。悪玉菌が増えれば、体を壊す恐れが十分にあるので油断は禁物だ。
ともかく、ペットボトルの飲み物は、なるべく早く飲みきるか、飲み残しは冷蔵庫に保管するか、コップに移して飲むよう、ニッセンケンは注意を促している。
出典:ニッセンケン品質評価センター 【飲みかけのペットボトル飲料を調査】35℃で24時間後、生菌数が最大約1.7万倍に
〖試験担当者のひとり言〗~ お役立ちな独白21 飲みかけ放置のペットボトル飲料は危険!? -飲料中の生菌数を計りました



