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経営・戦略

2026.09.06 11:30

スカパーJSAT株価最高値の真相 利益の7割を宇宙で稼ぐ元伊藤忠社長の構造改革

米倉英一|スカパーJSAT 代表取締役 執行役員社長

米倉英一|スカパーJSAT 代表取締役 執行役員社長

スカパーJSATが、防衛銘柄として注目されている。防衛省は、昨年7月に「衛星コンステレーションの整備・運営等事業」の入札を公告。衛星コンステレーションとは、複数の小型衛星をひとつのシステムとして運用すること。安全保障分野における周辺状況の把握や情報収集への活用が想定される。

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12月にスカパーJSATと三菱電機、三井物産らのグループが落札。政権が安全保障重視の方針を打ち出したことも相まって株価は上昇した。さらにスペースXのIPOの影響もあり、5月には上場来最高値の4,720円をつけている。

この反応に対して、スカパーJSATを率いる米倉英一は「マーケットは防衛銘柄とレッテルを貼りたがる」と苦笑する。

「我々は民間の通信衛星会社です。もともと人工衛星をもっているので、デュアルユースで防衛省や自衛隊にも古くから通信分野で貢献してきた。そこに宇宙インフラを使おうという外的要因の追い風が吹いたと理解しています」

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スカパーJSATが衛星会社と聞いて驚く人もいるだろう。to Cでは衛星放送「スカパー」のイメージが強いからだ。実際、売上高(営業収益)はメディア事業が半分近くを占める。だが営業利益では宇宙事業が7割弱*で、利益の柱はすでに宇宙へ。この事業構造転換を主導したのが、2018年に伊藤忠商事からやってきた米倉だった。

「私がきたときは放送事業出身の方が多く、『夢をもう一度』という空気が漂っていました。しかし、商社で電力プラントをやってきた私の立場から見ると、この会社の強みは人工衛星を保有・運用していることにありました。かつてその強みを放送で生かしていましたが、放送が動画配信に押されている以上、ほかに目を向けるのは当然です」

宇宙事業でも、スカパーJSATはすでに衛星通信で強みを発揮していた。米倉が新たに目をつけたのは、地球観測だ。この領域に参入して、衛星画像などのデータを提供するスペースインテリジェンス事業を展開。それが近年の成長を牽引している。

鍵を握るのは「衛星」だ。同社が保有するのは、高度3.6万kmの静止軌道に位置する通信・放送用の衛星。一方、2,000km以下の低軌道を周回する地球観測衛星は自社でもたず、米Planetなどから調達した画像を売っていた。それでも収益は出るが、25年2月に約400億円を投じ、自社保有による低軌道衛星コンステレーション構築を決めた。

「地球観測衛星を開発するアメリカの会社が私たちの顧客とコネがある人間をヘッドハンティングして、直接やりとりすることもありえます。そのリスクに備えるために自社保有を決断しました」

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文=村上 敬 写真=伊藤 圭

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