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ビジネス

2026.09.02 16:15

地域と体験に光を 「もう一つの日本地図」が動き出した夜

Forbes JAPAN Destinations of the Year 2026 アワードイベントにて

Circular Business賞(循環型ビジネスモデル部門)の「Bed and Craft」を富山・井波で営む山川智嗣は、挨拶で創業当時を振り返った。

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「10年前は地域の方々から怪訝な顔をされて、あいつは何者なんだと警戒された」

会場にいる多くの受賞者が頷く姿が目に入る。木彫刻の街で宿と職人を結び、宿泊を工芸に触れる体験へ変え、収益を街へ還した。そのBed and Craftは今年、10周年を迎えた。

加えて、クレディセゾン特別賞を山梨・市川三郷の花火会社、丸富が受賞。「和火師」佐々木厳が、硝石と硫黄と木炭だけで焚く江戸期由来の「和火」を客が自らつくる体験に仕立てている。

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「山奥だからできることをやる」

そして最高賞「THE ICON」は、冒頭のL'évoに贈られた。谷口が富山市内で営んでいたレストランを利賀村の山中へ移し、オーベルジュとして開き直したのは2020年だった。

移転前には「すぐに潰れるぞ」という言葉まで飛んだが、代理で登壇した澤 千恵によれば、谷口はそうした言葉が右から左へ通り抜けていく耳をもっていた。そして、よくこう口にしていたという。

「みんな山奥だからと反対するけれど、山奥だからできることをやる。いつかきっとレヴォがモデルケースになって、日本のいろんな地域で面白いことをやろうという人が、たくさん増えていく」

その言葉どおり、この夜の会場には、自分の土地でしかできないことを事業に変えた30組が集まっていた。ビデオメッセージで画面に現れた谷口は、生産者や作家に支えられての受賞だと礼を述べた。壇上の澤は、「ハンターや漁師まで含めた“チームレヴォ”のみんなと、この盾を分かち合いたい」と結んだ。

J-CATの飯倉は、挨拶のなかで観光という言葉の語源にも触れていた。中国の古典に由来する「国の光を見る」。光が指すのは景色より先に、その土地の人の暮らしぶりや文化、生き様だという。「土地の空気や職人の技、そこに流れている時間の価値は、AIが進めば進むほど高まっていく」と。

アドバイザリーボードによるトークセッション。左から藤吉雅春(Forbes JAPAN編集長)、渡邉賢一(ナラティビスト / 価値デザイナー​)、永原聡子(Deneb代表取締役)、岡 雄大(Staple 代表取締役)
アドバイザリーボードによるトークセッション。左から藤吉雅春(Forbes JAPAN編集長)、渡邉賢一(ナラティビスト / 価値デザイナー​)、永原聡子(Deneb代表取締役)、岡 雄大(Staple 代表取締役)

受賞した30組に向けて、アドバイザリーボードの一人、ナラティビスト/価値デザイナーの渡邉賢一はこう言葉を贈った。

「意味の取引の時代が、いよいよ始まったのかなと思っています。ここにいる一人一人が、日本の編集者なんじゃないかと。日本を編集していく人を1000倍に増やしていく時代が、今日スタートするんじゃないでしょうか」

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体験がデスティネーションとなる時代へ | Destinations of the Year 2026

文=青山鼓

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