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2026.08.31 09:16

経験豊富な女性たちがCスイートを離れ「自分の条件」を選ぶ理由

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昨年、グローバル企業のマーケティング責任者を解雇されたブランディ・モートンが最初に感じたのは、パニックだった。

「別のフルタイムの仕事を見つけなければ」。そう考えたのを覚えているという。その後、彼女は計算を始めた。

広報業界の友人が、シンプルな問いを投げかけた。20年のマーケティング経験があるのなら、上司ではなく顧客を見つければよいのではないか、と。

彼女は、同じ単価でフラクショナルの顧客を3社獲得すれば、以前の給与のほぼ2倍になり、スケジュールも完全に自分で管理できると計算したうえで、自身の会社Brandy Morton Marketingを設立した。現在、モートンは5社の顧客と6ブランドのフラクショナル最高マーケティング責任者を務めている。

彼女はその働き方を維持するため、フルタイム職としての引き留めのオファーを断った。

モートンは、データに表れているトレンドを体現する一人にすぎない。20年、30年とかけて企業の階段を上ってきた女性たちが、それ以上上り続けることを選ばなくなっている。代わりに、コンサルティング、フラクショナル経営幹部職、あるいは自社の立ち上げへと踏み出しているのだ。

離職の背景にあるデータ

数字は、採用担当者やキャリアコーチが経験的に語ってきたことを裏づけている。シニアマネージャーからCスイートに至るまで、リーダー職にある女性たちは、2022年に限界点に達し、企業の職務を離れる割合が過去最高となった。マッキンゼーとLeanIn.Orgが年次調査「Women in the Workplace」で離職率の追跡を始めて以来のことで、「グレート・ブレイクアップ」と呼ばれた。

女性が占めるCスイートの席はなお29%にとどまり、この数字は2024年以降変わっていない。さらにマッキンゼーの2025年調査では、シニア層で男性と女性の間に測定可能な意欲の差が初めて確認された。昇進を目指して競っていると答えたシニア女性は84%だったのに対し、シニア男性は92%だった。

回答した多くの女性は、企業の階段を上るなかで、強力なスポンサーシップや支援が不足していることを理由に挙げた。2025年の報告書は、女性の昇進を優先していると答えた企業は約半数にすぎないと指摘している。

教室から始まる第2幕

経験豊富な女性たちが企業内の激しい競争から身を引くとき、彼女たちはどこへ向かうのか。その多くは独立した働き方へと移行している。

Gustoの新規事業設立報告書によると、2024年に米国で新たに設立された企業のほぼ半数は女性によるもので、2019年から69%増加した。また、ウェルズ・ファーゴのデータによれば、女性が所有する企業は2022年から2025年にかけて12%増え、男性が所有する企業の伸びのほぼ2倍のペースだった。興味深いことに、MITの研究では、成功するスタートアップ創業者の平均年齢は25歳ではなく45歳であり、一般に50代の創業者は若い創業者を上回る成果を上げることが示されている。

この最後の点は、カリー・リッチにとって重要だった。彼女はカリフォルニア州リバーサイドの高校で18年間、英語とダンスを教えた後、3年前に教室を完全に離れた。フルブライト奨学金、パンデミックで閉鎖されたダンススタジオ、そして最終的には州の芸術助成金の思いがけない増額が、彼女をコンサルティングへと向かわせた。

現在、彼女は学区がダンスプログラムを構築し、人材を配置する支援をしている。収入はおおむね半減し、昨年は13万5000ドル(約2160万円)から6万ドル(約958万円)または7万ドル(約1120万円)になったが、2026年には再び6桁に戻る見込みだという。彼女は、収入が減ったとしても、教育現場で働くストレスと引き換えにはしたくないと語った。

「収入は以前の約半分ですが、働く時間ははるかに少なくなりました」とリッチは言う。「それに、(教室を)離れて以来、陸上競技会も卒業式も一度も見逃していません」

企業が失っているもの

答えるべきもう1つの問いは、組織知を持つ経験豊富な女性たちが去るとき、企業は何を失うのかということだ。

最初のコストは数値化しにくいが、その実態はますますよく記録されるようになっている。モートンはそれを、協働的なリーダーシップとチームパフォーマンスを高める「スーパーパワー」と呼ぶ。そこには、AIツールの扱いにどれほど慣れていても、新しい人材が一朝一夕には身につけられない、何十年もの実践を通じて培われた判断力が組み合わさっている。

彼女の直感には、神経科学の裏づけもある。ウォートンの神経科学者で教授のマイケル・プラットは2026年2月の記事で、人工知能の能力が高まるにつれ、リーダーシップ上の優位性は、コミュニケーション、創造性、他者の視点に立つ力、そしてプレッシャー下での判断力からますます生まれるようになると述べた。プラットによれば、これらのスキルはAIではうまく再現できず、AIが完全に習得することはないかもしれない。

PLOS Oneに掲載された2025年12月の研究では、女性は全年齢層において、共感力と他者の視点に立つ力で男性を有意に上回った。また、2023年の米国心理学会の記事は、効果的なリーダーシップに結びつく8つの特性のうち、コミュニケーションや創造性を含む7つで女性が男性を上回り、リーダーシップの有効性全体でも女性のほうが9%高いスコアを得る可能性が高いとする研究を引用している。

こうした特性と長年の経験を持つ女性たちが従来型の職場を去るとき、後には空白が残る。モートンは、企業がその空白を「一度も提案で負けたことのない人たち」で埋めていくのを見ているようだと表現した。

2つ目のコストは、より測定しやすい。ギャラップによれば、2021年時点で従業員1人を置き換えるコストは、その人の年収の150〜200%に上る可能性がある。シニア職や専門職では、失われた組織知や顧客関係の断絶を考慮すると、そのコストは指数関数的に増える。

リッチは、ベテラン教師が去るときに学区が失うものをより簡潔に表現した。それは「企業が経験するであろう研修コスト」に相当する、蓄積され文書化されていないノウハウであり、新人がほかでは得られないメンターシップがそこから差し引かれるのだという。

モートンもリッチも、企業組織を去ったことを、野心の否定だとは考えていない。2人とも十分な野心を持っている。ただ、自分の時間をどう使い、誰と働くかについて、より大きな裁量を持ちながら、自分の条件で目標を追求したいと考えているのだ。

彼女たちが後にした企業にとって、より差し迫った問いは、なぜ彼女たちが去るのかではないのかもしれない。こうした女性たちが自らつくり上げた仕事のあり方に、同じようなリーダーを失い続ける余裕が、その組織にあるのかということだ。

forbes.com 原文

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