北米

2026.08.31 08:21

過去最多1160万人、65歳以上の米国人が働き続ける理由

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65歳以上の米国人、就業者数が過去最多に これは素晴らしいことだ

米国の退職者たちは、死ぬまで働くつもりでいる。これは、引退(リタイアメント)のあり方の進化に関する、きわめて喜ばしいストーリーだ。政策ライターのジョン・マック・ギオンは、かつての常識にとらわれてこの事実を理解していないようだ。

マック・ギオンは先日、米政治専門紙「ザ・ヒル(The Hill)」への寄稿で、「すでに65歳以上の米国人のうち、過去最多となる1160万人が今もタイムカードを押している」と悲壮感を漂わせながら主張した。彼は、自分をこれほど落胆させている事象をむしろ歓迎すべきだ。

かつて米国人は、「引退年齢」を過ぎてからはそれほど長く生きられないことを十分に承知の上で65歳まで働いていたが、現在の彼らは「今もタイムカードを押して」いる。65歳以上の人々は、自分がなぜ働いているのかをよく理解している。

マック・ギオンは、65歳以上の層が生活費を支払うために働かざるを得ないという悲惨な光景を描き出している。だが、より明るい現実は、今の65歳は祖父世代の65歳ではないということだ。さらに言えば、65歳以上の人々はますます若々しく見え、本人たちもそう実感している。彼らが働いているのは、働かなければならないからではなく、働きたいからだ。

「高齢者」にとって就労がますます自発的な選択肢になりつつあるという主張を裏付ける証拠は、ごく身近なところに隠されている。それはまず、退職者や退職を控えた人々が、噂される社会保障給付の削減見通しに対して平然としていることに現れている。この噂される削減について、まず指摘しておくべきは、それが実際には起きないということだ。社会保障税の税収超過分を日常的に使い込んできた議会は、近いうちに一般財源を取り崩して、社会保障給付の全額を支払うことになるだろう。

いずれにせよ、削減が迫っているという噂は、65歳以上の層に警戒感らしきものをまったく引き起こしていない。これは示唆的であり、その示すところは、米国の退職者のうち、現状ですでに社会保障だけに完全に依存している人がますます少なくなっているということだ。

これは実に明白な事実なのだが、マック・ギオンは認めようとしない。彼が引退後の絶望というフィクションを煽る一方で、実証的な現実は、米国の高齢者がかつてないほど豊かであるということだ。そして、状況はさらに良くなるばかりだ。

奇妙なことに、マック・ギオンのような悲観論者こそが、この希望に満ちたストーリーを語っているのだ。65歳以上の米国人は、かつてないほど裕福であるだけでなく、フルタイムの余暇よりも仕事をますます選択するようになっている。つまり、彼らは暮らしに余裕があり、さらに老後の資産を複利で増やすのに役立つ収入も得ているということだ。

おかしなことに、マック・ギオンは引退生活について誤った絵を描いていないときには、人工知能(AI)が大量失業をもたらそうとしているというフィクションを喧伝している。そう、彼のAIによる失業のストーリーは、65歳以上の就労者数が過去最多であるという彼自身のストーリーと矛盾している。だが、それは本筋から外れる。

当然ながら、AIが大量失業を招くことはない。そして「高齢者」の存在が、その理由を気づかせてくれる。

現代の65歳はかつての「65歳」ではないというだけでなく、機械化された手や頭脳が労働力として参入しても、高齢者から仕事を奪うわけではない。むしろ、仕事のなかで最も不快で負担の大きい部分を肩代わりしてくれるため、高齢者の価値はさらに高まることになる。これは、歳月が流れるにつれて、マック・ギオンが挙げた1160万人という数字がさらに拡大していくことを予感させる。それは素晴らしいことであり、65歳を過ぎても明確な目的を持てる高齢者自身にとってだけではない。

私たちが「経済」と呼ぶものは、人々や機械の参入によって損なわれることは決してなく、むしろ分業が拡大して生産性が向上することで、常に活性化される。言い換えれば、高齢者たちがかつてないほど長く、より専門的な形で幸福に働き続けるからこそ、経済はこれまで以上に発展するのだ。

forbes.com 原文

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