企業独自のテクノロジーがいかにサービス産業を変えつつあるか [Part 2/2]

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Part1はこちら

2.独自のテクノロジーで業務の効率化と経費の削減を

もし、ソフトウェアや他のテクノロジーを導入してもサービスの質や顧客満足度が低下しないのなら、まずはやってみるべきだ。最初に、社内の作業チームに、現在時間がかかっている作業のリストを作ってもらう。そして、どのようにしたら作業チームがその仕事を短時間でできるようになるのかについて意見を出し合ってもらうのだ。

私の会社Influence&Co.の例では、一番最近の社外研修で「ミニ・スタートアップ・ウィークエンド」を開催して、従業員たちに時間がかかっている作業を挙げてもらい、どのようにすれば作業の効率化が図れるかについて考えを出してもらった。そこで選ばれたアイデアの一つは、当社出版戦略チームが独自のテクノロジーを使ってインターネット上の出版物を閲覧し、記事の受容度に関するデータを分析した後で、その分析結果および想定されるビジネス機会に関する情報を顧客に提供するというものだ。

このアイデアを実行に移すには数千ドルのコストがかかるのだがが、それを開発、導入することで、年間50,000ドルから75,000ドルの経費削減が可能になる。独自のテクノロジーを開発するにはそれなりの投資も必要だが、最終的にはあなたの会社にとって時間とお金の節約になり、利益が増大することになるのだ。


3.独自のテクノロジーはチーム間コミュニケーションを活発にし、顧客とのコミュニケーションにも好影響

企業の業績アップにはコミュニケーションがカギであることを、私と私のチームは直に体験した。当社では、コンテンツの制作と発送にクラウドベースのテクノロジーをいつも使用していたが、この標準的なテクノロジーでは社員間のコミュニケーションがうまく取れなかった。そのため私たちは、日々の連絡にはSlack、従業員と経営陣の週ごとの業務報告には15Fiveを使い始めたのだが、これらのツールは当社独自のコンテンツ制作ツールや制作工程には組み込まれていなかった。

2013年の後半、私たちがビジネスにもっとテクノロジーを取り入れようという動きを始めた際、私たちはクラウドベースの標準的なシステムから離れ、出版コンテンツを自動追跡できるシステムを独自に作り上げることにしました。その際私たちは、コミュニケーションを容易にし、かつ、チームが共同でコンテンツを制作することもできる一石二鳥の仕様を取り入れたのだ。

こうしたハイテク仕様は、社内のコミュニケーションを良くするに止まらない。開発を継続することによって、それを顧客に紹介することも可能になる。例えば当社では、2016年から、顧客にこの独自のツールを開放する予定であり、それによってコンテンツ制作工程における顧客とのコミュニケーションの改善がはかれる。標準的で一般的なテクノロジーでは、ここまで質の高いコミュニケーションや共同作業は不可能だっただろう。当社が自社のソフトウェアを使って、どのようにしてこれをやったかについてはこちらをご覧いただきたい。


4.顧客は最高のサービスを求め、独自のテクノロジーがそれに対応する。

リー氏は、「1993年以降に生まれた人間にとって、インターネットはいつも身近な存在だった。この世代が十代を迎えた時には最新のスマートホンがあり、また、大人として独立する時には、ますますパワーが増大して常時ネットに接続しているようなウルトラPCがそのポケットに入っている。この世代グループにとって、テクノロジーとはサービスと同義語であり、サービスはそれなしでは存在しし得ない」と言っている。

成功を願う組織にとって、サービスだけでは今日の顧客にとって十分ではないと理解することは重要である。サービスの届け方-例えばアプリ、ウェブサイト、購入申込ポータルなどこそが、顧客の忠誠心、関与、そして売上をもたらしてくれるのである。

成功していて、かつ順応性のある経営者であれば、企業の成長に合わせて、顧客が何を欲し、何を欲していないかを学び、他の誰も持ち合わせていないような情報、プロセス、サービスの提供に業務を絞り込んで独自のテクノロジーを開発していく。あなたの会社に、顧客によりよいサービスを提供できる独自のテクノロジーを開発するチャンスが訪れたら、どうかそのチャンスを活かしていただきたい。それこそ、あなたが探し求めていた差別化へのいい機会かもしれない。

編集 = Forbes JAPAN 編集部

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