この賞は、『Oceanographic』誌、およびスイスの時計ブランド「Blancpain」の提供で開催されている。
「海洋に対する人間活動の圧力が高まるなか、現場を目の当たりにしているアーティストの重要性は増すばかりです。今年のファイナリストたちはみな、傑出した深い洞察と勇気をもって作品を生みだしました。オーシャン・フォトグラファー・オブ・ザ・イヤーが、こうした物語を世界に届けるプラットフォームの役割を果たし続けていることは、私たちの誇りです」と、ハリソンは述べている。
部門別の受賞作品と、全体としての最高賞「オーシャン・フォトグラファー・オブ・ザ・イヤー2026」の受賞作品は、9月に発表される予定だ。
海の野生生物
この写真は、メキシコの太平洋側で、狩りに成功を収めた直後のシャチたちを捉えたものだ。シャチたちは1時間近くかけて、子クジラを母親から引き離した。再び海面に姿を現したシャチたちは、協力して獲物を運んでいた。
この光景からは、シャチの協力的な狩猟戦略が見て取れる。彼らは複数の個体で連携し、大型の獲物を孤立させて屈服させる。写真からはわからないが、仕留めたあとには、クロトガリザメなどのスカベンジャー(死肉食者)たちが、残骸に引かれて集まる。一つの狩りが、海の食物網全体に影響を与え、豊かにするのだ。
この魚は日本近海ではありふれた種だが、この作品は、彼らの生活環における目にとまりにくい段階を捉えている。オスは、成長中の卵を約1週間にわたって運搬・保護し、その間はほとんど餌を食べない。稚魚たちは何度かに分けて放出されるが、最も多くが放たれるのは最初の1回だ。
ニュージーランド沖で、ニュージーランドオットセイが、ガンギエイの1種を引き裂き、海鳥がおこぼれを狙って集まっている。
オットセイは、このような大型の獲物を丸のみできないため、繰り返し海面に叩きつけ、小さな肉片へと解体する。パワフルな捕食者の採食時には、いつも獲物の争奪戦が起こり、生命の環がめぐる。
カサゴの1種がエソの1種を捕食する、狩猟行動の一瞬を切り取った作品だ。サンゴ礁で繰り広げられる、生き残るか糧となるかの紙一重のドラマと、そこに生きる者を特徴づける刹那の衝撃的な遭遇を、克明に捉えている。


