海洋写真コンテスト「オーシャン・フォトグラファー・オブ・ザ・イヤー」の2026年最終候補作品が発表された。私たちを取り巻く海の美しさや生物多様性から、そのはかなさ、そして緊急に保護が必要な現状まで、海にまつわる写真の傑作がそろった、驚くような作品の数々を見ていこう。
今年の最終候補作品はいずれも、海の生き物が見せる驚異の瞬間を捉えている。ハイライトには、かつて乱獲されたものの、数十年にわたる保護が功を奏して現在は回復しつつあるアオウミガメ(ハワイ語で「ホヌ」)たちが、ハワイのマウイ島の知られざる楽園で休む姿から、2頭のシャチが協力してザトウクジラの子を連れ去る様子、恐ろしげな外見のカサゴがエソを丸のみするシーンなどがある。
海の隠された世界
2026年から新設されたカテゴリー「未知なる海:隠された世界(Ocean Unseen: Hidden Worlds)」は、ごく小さく目にとまりにくい海洋生物にフォーカスしている。接写写真が克明に捉えた繊細な無脊椎動物や、顕微鏡でしか見ることができない生命の姿からは、海洋生態系を支える隠れた構造が浮かび上がる。
オーシャン・フォトグラファー・オブ・ザ・イヤーには毎年、世界最高峰の海洋写真家たちが撮影した、目をみはるような作品が膨大に寄せられる。ドローンから、海岸から、あるいは海中の視点で、多種多様な海洋生物の姿を垣間見せてくれる作品ばかりだ。
人間と海
「人間とのつながり」部門および「冒険」部門には、人々と海の長きにわたる関係を描いた作品が寄せられる。
メキシコのバハ・カリフォルニア半島沖の澄んだ海域で起こった、フリーダイバーと巨大なマンボウ(Mola mola)の遭遇(冒頭の写真)や、数千に上る木造の小屋と養殖漁業用いけすが、水上通路でつながって沿岸に果てしなく広がる光景。そして、オーストラリアのシドニーにあるタマラマ・ビーチで、イルカがサーファーとともに波に乗る瞬間といった作品は、海が私たちにとって途方もなく重要であると同時に、歓喜をもたらし得る場所であることを思い出させてくれる。
「保全(インパクト)」部門は、海洋生態系が直面する深刻な課題の数々を取り上げている。最終候補作品は、過剰漁獲や混獲がもたらす結果や、汚染が海生哺乳類に与える影響のほか、北大西洋のフェロー諸島で行われている伝統捕鯨「グラインダドロップ(grindadráp)」などを題材としている。
オーシャン・フォトグラファー・オブ・ザ・イヤー2026について
オーシャン・フォトグラファー・オブ・ザ・イヤーの創設者でディレクターを務めるウィル・ハリソンは、「これらの写真は、水面下の光景を捉えているだけでなく、地球が何としても私たちに聞かせたいであろう物語にスポットライトを当てるものです」と語る。



