企業独自のテクノロジーがいかにサービス産業を変えつつあるか [Part 1/2]

violetkaipa / Shutterstock

ビジネスにおいて競争力を保つためには、時代の変化に適合する必要があることは常識だが、企業経営に携わる人々にとって、最近のサービス産業で起きている変化、すなわち、企業独自のテクノロジーを開発しようとする気運の高まりは驚きだろう。

企業独自の技術開発は、SaaS企業や業務の根幹がテクノロジーにある企業のものという考え方が支配的だった。しかし、より多くの企業が独自のアプリケーションを開発するためのテクノロジーや専門知識を習得したことで、大きな変化が起きつつある。企業はすでに、経営から流通、マーケティングに至る様々な分野において業務の効率化と電子化へのプレッシャーを感じているが、市場で売られている標準的な製品では、もはや企業特有のニーズに対応できないのだ。

市場のトレンドにうまく乗っていきたいと思い、また、企業独自のテクノロジーを開発するとどんなことが可能になるのかを知りたいと思うのなら、ここに答えがある。

1.独自のテクノロジーに関する動きを受け入れようとしない企業は、競争力をリスクにさらしている。

この変化は比較的最近のものですが、変化を取りこもうとする動きは広がりつつあり、革新的な企業ではすでに、サービスの補完や競争力の向上に向けて新しい技術を受入れ始めています。Praxent社のプロフェッショナル・サービシズ担当VPロブ・リー氏が、競争力向上の素晴らしい例を提供してくれた。

「自動車保険業界では最近、サービスの提供方法に急速な技術革新がありました。無線で接続する機器が広く普及したことで、保険会社は、過去には不可能だったサービスが提供できるようになっている。例えば、事故現場から直接保険会社とビデオ通話ができたり、また、保険請求のプロセスをリアルタイムで監視したり、最新の保険加入証明カードもスマートホンを一度タップするだけで表示できるのです。」

もしあなたが自動車保険業界の人だったら、こうした劇的な変化をどうとらえるだろうか?あなたのチームはこうしたコミュニケーションをどのように組織化するだろうか?そして、既存のテクノロジーから、あなたの会社のニーズにぴったりと合うものを見つけられる確率は、どれくらいだろうか?

自分たちのサービスを補完し、かつ、顧客の志向の変化に対応するためのテクノロジーを導入しない企業は、絶滅する運命にある。例えあなたの会社のサービスがどれほど効率的であるとしても、競争相手が特注品を独自に開発し、便利さ、秩序、効率性を兼ね備えたサービスを提供したら、あなたの会社はその競争相手にはかなわない。今後数年間、競争を制して勝者となるのは、顧客に最高の経験を提供することのできるサービスとテクノロジーの両方を持ち合わせた企業だろう。

Part2に続く

編集 = Forbes JAPAN 編集部

タグ:

ForbesBrandVoice

人気記事