マネー

2015.12.05 10:00

ブラック・フライデーはミレニアル世代のものか

Brent Hofacker / Shutterstock

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どうしてショッピングが感謝祭の一部になったのだろう? 『ボルティモア・サン』紙の記者、キャリー・ウェルズによると、「18歳から、西暦2000年前後に成人した35歳前後と定義されているミレニアム世代は、その上の世代よりもはるかに、感謝祭の日とその翌日のブラック・フライデーに買い物をしたがる傾向にある」という。プライスウォーターハウスクーパースは、2015年ホリデー・アウトルック・レポートの中で、「(ミレニアル世代の)約60パーセントが、感謝祭の日にオンラインあるいは実店舗で買い物をするが、35歳以上の世代では3分の1である」と指摘している。
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倒れるまでショッピング

ミレニアル世代は、素早いクリック運動で指に痛みが走った時にのみ疲れを覚える。プライスウォーターハウスクーパースの報告書はまた、「主な小売店のデジタル収益は(2015年に)対前年比で40パーセントから50パーセント増加するだろう」と予測している。報告書は続けて、「消費者は一般的に、プレゼント、旅行、そして娯楽に1,018ドル消費しようとしている。ホリデーシーズンであるため、消費の55%前後がプレゼントの購入に充てられる」としている。

小売店は、特価セールで大混雑が起きることを望んでいるわけではない。それどころか、客が一時期に集中しないように工夫を凝らしている。混雑と言えば、ショッピングセンターに人が殺到したことによって、実際に死者も出ているのだ。BlackFridayDeathCount.comというサイトによると、2006年以降、7人が死亡し、98人が負傷したという。
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ミレニアル世代は複数の作業を同時にこなす

ミレニアル世代は、店内でスマートフォンを使ってセール品をチェックする。「スマートフォンは最強のショッピングアシスタントとなった。消費者は外出中に商品レビューを読んだり、商品のデモを観たり、在庫をストックしている小売店が近所にあるかどうか調べたりする」とグーグルはレポートしている。

VisionCriticalの調査によると、ミレニアル世代の買い物客は、「モバイル機器による買い物10回の内4回は、外出中に行われている。ただし、ミレニアル世代の男女の買い物行動にはわずかな違いが存在する。女性の買い物客はミレニアル世代の男性よりもほんの少しスマートフォンを好む傾向にあり、ミレニアル世代の男性は、外出中にモバイル機器を使う傾向にある」

つまり、買い物客はショッピングモールの混雑に挑むばかりか、同時にスマートフォンで特価品を探してもいるのだ。

セールはリアル

上述した通り、このシーズンは頻繁にセールが行われる。もっと早い時期に行われるセールすら存在する。

サイバー・マンデー(ブラック・フライデーの翌週の月曜日)は、お買い得品を探す絶好の日だ。CNNマネーが報じた「グリーン・フライデー」なる新たな現象にも注目してほしい。グリーンと言っても、環境保護とはなんの関係もない。これは、合法マリファナ店が大麻を安売りする日なのだ。

特価セールを掲載するインターネットサイトも、ブラック・フライデーに先だって次々に生まれ、大手小売業者は、こうしたサイトの広告スペースを競って購入する。TheBlackFriday.comも、そうしたサイトの一つだ。販売競争は始まっており、オンライン店舗対実店舗の戦いとなっている。たとえば、アマゾンは12月22日まで続くキャンペーンを、すでに開始している。サンタが煙突から下りてくる前に商品を届けようというわけだ。ウォルマート等のその他の大手チェーンは、客を店に呼び込みたがっているが、一度に集中させるのではなく、分散させようとしている。

正直言って、私が気になっているのは、一連のセールに使うお金だ。アメリカ経済が上向いているため、このシーズンはみんな例年以上に気前よくお金を使うかもしれない。プレゼントとは、「あなたのことを大切に思っています」「愛しています」と伝えるためのものであって、「見て、あなたのためにこんなにお金を使ったのよ」と言うためのものではないことを忘れないようにしたい。

私は古いタイプの人間で、人は賢く与えることができると、今でも信じている。慈善事業に寄付するのは、思慮深い行動だ。自分が何に感謝すべきか、どうすれば富を分かち合えるかを、思い出すことができる。ビル・ゲイツも「ギビング・チューズデー」に言及している。「単純明快なアイデアです」と彼は言う。「感謝祭の翌週の火曜日に、プレゼントの買い物を一休みして、無理のない範囲で慈善事業に寄付するのです」

編集 = Forbes JAPAN 編集部

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