ビットコインは8月中旬以降20%上昇し、米ドルに対する売りを見込む、いわゆる「通貨安対策トレード(デベースメント・トレード)」の復活を背景に急騰している(イーロン・マスクが恐れるシナリオを裏付けるかたちだ)。
2026年に入ってから下降トレンドに陥っていたビットコイン価格は、市場を突如「パニック」が襲うなかで低迷から脱し、わずか数時間でビットコインの時価総額に3000億ドル(約47兆9000億円)を上乗せした。
ビットコイン価格の突然の急騰を受け、トレーダーたちは現在、米国による新たな通貨の増刷に身構えている。注目度の高いあるトレーダーは、人々に「備えよ」と呼びかけた。
「備えて、買い始めよ」。ビットコインおよび暗号資産デリバティブの先駆けであるBitMexの共同創業者で、現在はMaelstrom Fundを率いるアーサー・ヘイズは、ポッドキャスターのアンソニー・ポンプリアーノにそう語り、ビットコインは今後数年で「非常に、非常に好調」に推移すると見込んでいると付け加えた。
「2008年型の大規模な信用危機が起きるとは思わない。だが、われわれはただ刷り続け、刷り続け、刷り続けることになる。そしてふと見上げれば、ビットコインは25万ドルになっているだろう」
ヘイズは、借り入れコストの低下を目的としたスコット・ベッセント財務長官による最近の債券市場支援の約束を指摘した。これは市場に衝撃を与えた。
「市場が(ベッセントの)望む通りに動かず、じりじり上昇を続けて彼を試すようなら、彼は通貨を発行し続けざるを得なくなる」とヘイズは述べた。
「最終的には、(ジャネット・)イエレン前米財務長官が行ったような大胆なことに踏み込むだろう。つまり、米連邦準備制度理事会(FRB)のリバースレポ(逆レポ)ファシリティを枯渇させるということだ。彼女は2兆4000億ドル(約383兆円)の流動性注入を行ったんだ」
先に、米財務省が1兆ドル(約160兆円)近い一般会計を活用して債券購入資金の一部を賄う可能性があると報じられた。
金価格も押し上げたデベースメント・トレードの突然の復活は、投資家をビットコイン上場投資信託(ETF)へと向かわせた。
「先週のビットコインの約23%上昇は2023年3月以来最大の週間上昇率だが、その中身は規模と同じくらい重要だ。約19億ドル(約3030億円)が米国のビットコイン現物ETFに流入し、真の投資家需要の証拠となった一方、記録的なショートポジション(空売り)の踏み上げ(清算)がさらなる勢いを加えた」と、Xapo Bankの投資マネージャー、ガディ・チャイトはメールでのコメントで述べた。
「重要なのは、米財務省が長期債の買い戻しを増やす決定を下したことが、さらなるマクロ的な触媒となり、政策当局が長期国債市場のストレスに対して次第に敏感になっていることを示した点だ。ビットコインはいつものように反応し、流動性期待とリスク選好の広範な変化を増幅させ、市場全体よりも急激な動きを見せた。より長期的に見れば、同様の財政圧力はビットコインのファンダメンタルズを裏付ける。債務の増大が通貨価値下落への懸念を煽るなか、その供給量が固定されており、いかなる政府や中央銀行からも独立しているという特性は、ますます重要性を増している」



