リーダーシップ

2026.08.30 00:47

不確実性の時代に問われるリーダーシップ——高業績チームを築く原則

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急速に変化する環境に適応し、質の高い意思決定を下す能力は、優れたリーダーシップを決定づける条件である。

激動の時代というのは、現代に始まった現象ではない。ジュリアス・シーザーやエイブラハム・リンカーンをはじめとする歴史上のリーダーたちは、戦争、景気後退、技術破壊、政治的不安、社会の変化など、激動の時代におけるリーダーシップについて多くの教訓を私たちに残してくれている。

今日のビジネス界における課題は、一見異なっているように見えるかもしれない。経済の変動性、人工知能(AI)、地政学的緊張、そしてハイブリッドワークやリモートワークは、間違いなくかつてないほどのスピードで変化するビジネス環境を生み出している。しかし、不確実性そのものは決して新しいものではない。

私の見解では、成功するリーダーを分かつのは、急速に変化する環境に素早く適応する能力ではない。チームにとっての不確実性を軽減し、一貫して優れた解決策を生み出す能力であり、それによって自身の指導力に対する敬意と信頼を築く能力である。

戦略だけでは不十分な理由

変化のなかでチームを最も効果的に導く方法を考えるとき、多くのリーダーはまず戦略を思い浮かべるかもしれないが、戦略だけでは不十分である。

最も高いパフォーマンスを発揮するチームが成功するのは、単に優れた戦略的計画を持っているからではないことを、私は実感している。彼らが成功するのは、それらの戦略を実行できるからだ。そして同様に重要なのは、そうしたチームがリーダーを支持し、信頼していることである。

リーダーは自身の行動を通じて、チームが自分を支持し、信頼するかどうかに影響を与える。優れたリーダーは、いつ身を引き、チームに実行を任せるべきかを心得ている。つまり、彼らはチームを信頼しているのだ。マイクロマネジメントをしたり、常に監視したり、指示を何度も確認したり、すべての決定を疑ったりすることはない。それがシナジー(相乗効果)を生み出す。リーダーを信頼し、リーダーからも信頼されていると感じているチームは、より迅速に行動できることを私は目の当たりにしてきた。彼らはより効果的に協働し、より自由に情報を共有し、より早い段階で間違いを認め、問題が危機に発展する前の初期段階で解決することができる。

対照的に、リーダーに対する信頼が低いチームの行動はまったく異なることも観察してきた。彼らはリスクを避けるようになる。人々は組織よりも自己保身に走る。コミュニケーションは滞り、意思決定は行き詰まり、従業員は共通の目標に向かって働くのではなく、自己防衛のモードで行動し始める。

信頼は、モチベーションを高めるスピーチや、壁に貼られた企業のバリューによって築かれるのではない。約束を守る、耳を傾ける、効果的で実行可能な解決策を提示する、説明責任を果たすといった、一貫した行動を通じて築かれるのだ。

コミュニケーションが組織の競争優位性をもたらす

優れたコミュニケーションが単に人間関係を改善するだけでなく、組織のパフォーマンスを向上させる様子を、私は何度も目にしてきた。

コミュニケーションの課題は、分散型チームやハイブリッドチームにおいてはさらに複雑になり得る。例えば、対面でのやり取りが減り、自発的な会話が少なくなり、リーダーは期待を植え付けたり関係を強化したりするための、非公式な機会を多く失ってしまう可能性がある。

チームメンバーがリーダーと直接対面でやり取りするとき、メールやオンライン会議では得るのが難しい、あるいは不可能な背景(コンテキスト)を受け取ることができる。その対面での交流を通じて、メンバーは優先事項や期待、そして意思決定がどのようになされるかについての理解を深めることができる。時間の経過とともに、こうしたやり取りがさらなる明確さをもたらし、信頼を強化し、より強固な絆を築き、より強いチームの結束力を生み出すことになる。

優れたリーダーは、良い指導力とは単に明確に話すことだけでなく、チーム内に絆をつくることであると理解している。彼らは注意深く耳を傾け、明確に伝える。重要なのは、フィードバックや指導を行う際、相手に合わせてメッセージを調整することだ。不思議なことに、まったく同じメッセージであっても、聞き手によってまったく異なる意味に受け取られ得る。

私たちは現実を見ているのではない、現実の「解釈」を見ているのだ

青いレンズの眼鏡をかけているところを想像してみてほしい。周囲のすべてが青く見える。黄色いレンズに変えれば、突然世界は黄色く見えるようになる。

人は情報もこれと同じように解釈する。私たちは常に現実をありのままに見ているわけではない。自身の経験、感情、前提、バイアス(偏見)、そして期待を通して現実を見ているのである。

だからこそ、コミュニケーションには単に情報を伝える以上のものが求められる。リーダーは、受け取られたメッセージが、実際に自分が意図したメッセージであるかを確認しなければならない。

リーダーの足を引っ張るコミュニケーションの誤り

リーダーたちをコーチングしてきた私の経験から、いくつかのコミュニケーションの誤りが繰り返し現れることに気づいた。

1つ目は、真に重要なことを十分に伝えない一方で、雑音を過剰に伝えてしまうことである。リーダーは従業員に最新情報を過剰に浴びせる一方で、優先事項や戦略的な指示を強化できていないことが多い。

2つ目は、言いにくい会話を危機的な状況になるまで避けることである。問題が時間の経過だけで解決することはめったにない。

3つ目に、多くのリーダーは対話を生み出すのではなく、情報を一方的に発信している。リーダーシップとは、人々に向けて一方的に話す(talking at)ことではない。彼らと共に話す(talking with)ことだ。彼らのアイデア、創造性、フィードバックを引き出すことである。こうした情報は、リーダーが障害を理解し、盲点を発見し、より良い意思決定を下すのに役立つ。

最後に、発信するメッセージに一貫性がなく、今日ある指示を出したかと思えば明日にはそれと矛盾する指示を出すようなリーダーは、混乱、不満、そして不確実性を生み出す。時間が経つにつれ、従業員はそのメッセージと、それを発するリーダーの両方を信頼しなくなる可能性がある。

透明性が信頼を呼び起こす仕組み

リーダーシップのアライメント(方向性の統一)とは、全員を同じ方向に進ませることを意味する。これには、目標を組織全体に浸透(カスケード)させ、定期的な状況確認(チェックイン)を行い、意思決定において可能な限り透明性を保つことが求められる。

特定の状況やリーダーとしての責任において、機密保持が求められるのは事実である。リーダーが情報を非公開にしなければならない瞬間はある。しかし、そのような瞬間は例外であるべきであり、ルールであってはならない。透明性はリーダーシップへの信頼を呼び起こす。

私たちは本当に「最も激動の時代」を生きているのか?

今日のディスラプション(破壊的変化)は現実のものだ。組織は、急速な技術変化、市場のシフト、そして高まる不確実性の中をかじ取りしている。

しかし、これが歴史上最初の激動の時期というわけではない。

私には、第2次世界大戦で戦った大叔父が何人かいる。欧州で戦った者もいれば、アジアで戦った者もいた。私の父(93歳)は、空襲、食料配給、燃料不足、そして次の攻撃に対する絶え間ない不安を経験した。そのような状況下で生活することを想像してみてほしい。

今日の課題は重大であり、私はそれらを過小評価しようとしているわけでは決してない。しかし、今日の課題と、前の世代が耐え抜いてきた課題との間には違いがあると考えている。

リーダーは今日の課題を真摯に受け止め、自身の言葉を慎重に選ぶ必要がある。同時に、大局的な視点を保つことも重要である。

不確実性は常にリーダーシップの一部であったことを、歴史は私たちに思い出させてくれる。重要なのは、リーダーがどう対応するかである。

結論

組織がAIによるディスラプション、経済的・地理的な不確実性、組織変革、あるいはその他の課題に対峙していようとも、リーダーシップの基本原則は驚くほど一貫している。コミュニケーションと信頼が実行を可能にし、一貫性が信用と信頼を築き、明確なコミュニケーションが方向性の統一(アライメント)を生み出す。

戦略は依然として重要である。しかし、戦略が成功するのは、それを推進する責任を負うリーダーを人々が信頼している場合のみである。

これらの土台を強化したいと考えているリーダーにとって、パトリック・レンシオーニの著書『あなたのチームは機能していますか?』(原題:The Five Dysfunctions of a Team)は、信頼を築き、ハイパフォーマンスチームを創り上げるための最も実践的な本の1つであり続けている。その中心的なメッセージは、今日でもこれまで以上に重要である。チームが成果を上げる前に、まず信頼関係を築かなければならないのだ。

forbes.com 原文

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