ワールドカップに学ぶ、スポーツ・エンターテインメント事業の4つの成長戦略

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ワールドカップをめぐるビジネス上の議論の多くは、プレミアムチケット価格から大会の将来的な成長をめぐるより広範な議論まで、商業化に焦点を当てていた。こうした議論は重要だが、成長の物語の一部を語っているにすぎない。

コンサルティング会社で需要サイエンスとアナリティクスを率いる立場として、私は長年、組織がオーディエンスをより深く理解し、さまざまなセグメントに合わせてアクティベーションを調整できるよう支援してきた。ワールドカップは、オーディエンスへの深い理解がいかに多様な形で成長を引き出せるかを示す、興味深い事例だった。

限定的な体験がステータスシンボルとなった世界では、地球上最大のスポーツイベントに高い需要と高額なチケット価格が生じることは予想していた。しかし、チケット価格は成長の物語の一部にすぎず、ファンのアクセスしやすさが重要であることを踏まえれば限界もある。

スポーツやエンターテインメントの組織が模索すべき4つの主要な成長レバーがある。それは、「供給の拡大」、「チケット価格のセグメント化」、「アクティベーションのターゲティング」、そして「大会エコシステムの拡大」である。

1. 供給を拡大する

第1の成長レバーは、可能な限り提供できる体験の数を増やすことだ。例えば、ワールドカップは出場国を32チームから48チームに、試合数を64試合から104試合へと拡大し、ファンが観戦できる機会を大幅に増やした。

希少な資産を持つあらゆる組織にとって、供給を増やすことは長期的な成長を支える最初のレバーとなることが多い。

2. チケット価格をセグメント化する

第2の成長レバーは、セグメント化された価格戦略である。単に価格を引き上げるだけでなく、組織はファンをセグメント化し、非常に高い価格を負担できない忠実なファン向けのチケット価格の選択肢を確保すべきだ。

同時に、より高い金額を支払う意思のある、直前に体験を求める層に向けた選択肢もつくるべきである。プレミアムホスピタリティパッケージ、限定ラウンジ、舞台裏体験、旅行を組み合わせたパッケージは、一生に一度の体験を求めるファンやゲストに訴求する。

目標は、より多く支払う意思のある人々に追加価値を生み出す一方で、より幅広いオーディエンスに向けた手頃な選択肢を維持することだ。

3. アクティベーションをターゲティングする

第3の成長レバーは、需要の違いに基づいてアクティベーション戦略を調整することだ。需要は常に市場全体に均等に分布しているわけではないため、それに応じた計画を立てることが重要となる。例えば、あまり人気のない会場で行われるワールドカップ初出場国同士のグループステージの試合は、メキシコシティでの開幕戦や、ニューヨーク・ニュージャージー・スタジアムでの決勝戦とは、当然ながら異なる需要を生み出す。

組織は、このような需要のギャップを理解する必要がある。そうすることで、ローカルキャンペーン、ユースプログラム(サッカーのパートナーシップなど)、コミュニティへのアウトリーチ、あるいは企業向けチケットパッケージなど、マーケティングやアクティベーションの戦略を調整できるようになる。すべてのイベントや試合を同じように扱うのではなく、最も大きなインパクトをもたらす場所に投資を集中させることができるのだ。

4. エコシステムを拡大する

そして第4の成長レバーは、主要なイベントの枠を超えてエコシステムを拡大することだ。チケットは資産の1つにすぎない。商業パートナーシップ、伝説的なアスリートや著名人との交流、地域に密着したコミュニティプログラムなど、模索すべき戦略的資産は他にも数多く存在する。これらは、イベントが終了した後も長期にわたりロイヤルティを強化するのに役立つ、新たな顧客接点(タッチポイント)を生み出す。

組織は、単にイベントを収益化することを目指すのではなく、年間を通じてファンの関与を維持するエコシステムを構築すべきである。

全体として、スポーツ・エンターテインメント業界の成長を目の当たりにすることは、信じられないほどエキサイティングなことだ。多くの紆余曲折、勝利と敗北のドラマを内包するワールドカップは、世代、文化、地域、熱量の違いを超えて、ファンに豊かで有意義な体験を提供しながら、イベント自体をより大きく、より大胆に成長させることが可能であることを示してくれた。

結局のところ、この業界における持続可能な成長とは、チケット価格を最大化したり、あらゆる商業的機会を追求したりすることではない。商業的な野心と、ファンに対する永続的な価値とのバランスを取ることなのだ。オーディエンスを理解することに投資する組織こそが、長期的にロイヤルティを強化し、エンゲージメントを深め、より強力なブランドを構築するための有意義な体験を設計する上で、優位な立場に立つことができるだろう。

forbes.com 原文

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