サイエンス

2026.08.31 17:00

物事を最後までやり遂げる人の共通点、心理学者が教える「時間管理の極意」

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フィリップ・ジンバルドーの研究で知られる「時間的展望(Time Perspective)」に関する研究も、同様の方向性を示している。学術誌『Current Psychology』で2021年に発表された研究によると、過去・現在・未来のバランスが取れている人は、いずれか1つの時間軸に強く引っ張られている人よりも幸福度が高いという。幸福度を予測する要因は、時間に「正しい」方向を向いているかどうかではなく、異なる時間軸の間を柔軟に行き来できるかどうかにあるのだ。

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3つの時間が相互に作用する仕組み

これは、世に溢れる生産性向上のアドバイスのほぼすべてが依拠している部分であり、その効果は十分に実証されている。学術誌『European Review of Social Psychology』に2024年に掲載された論文によれば、「単に行動すべきだと決意する」よりも、「いつ、どこでその行動を起こすかを事前に具体的に決めておく」方が、実行に移せる確率が大幅に高まるという。

問題は、この方法「だけ」で仕事を進めようとしたときに生じる。プロジェクトは単に「何回作業を行ったか」を記録する事務作業のようになってしまう。そして、体調を崩したり、出張が入ったりしてスケジュールが途切れると、それまで頼りにしていた唯一の仕組みが崩壊してしまう。1週間サボっただけで、それまでの1年間の努力が水の泡になってしまうことが多いのは、このためだ。

カイロスが重視するのは、量ではなくタイミングだ。特定の作業に適した時間帯というものがあり、また、絶好の条件が永遠に続くわけでもない。カイロスのモードで働くとは、好機が開いたことを察知し、それが開いているうちに迅速に行動することを意味する。

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これは、一見同じように見える「先延ばし」とは区別される必要がある。やる気になるのをただ待つのは受動的な行為だが、状況を読み取り、それに基づいて行動することは能動的な行為だ。柔軟な行動を研究する心理学者たちは、この根本的なスキルを「文脈感受性(sensitivity to context)」と呼んでいる。これは、1カ月前に立てた計画に縛られるのではなく、目の前にある現実の状況に対応することを意味する。この違いは、学術誌『Nature Reviews Psychology』で2023年に発表された研究で詳しく説明されている。

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